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未来思考の農業IT 農機オタクのおもちゃで終わらせないために

GPSガイダンス

GPSガイダンスの国内の普及台数は2500台を超える。その約9割が北海道内にある。府県では一枚一枚の圃場面積が狭いこともあり、まだ導入が進んでいないが、水田での活用事例も増えつつある。今回は、農業で使われているGPSの基礎知識と最新動向に触れた上で、GPSガイダンスの商品群を紹介する。


GPSの基礎知識と衛星とRTK化の動向


【GPSからGNSSへ】

カーナビや携帯電話、カメラなど身の回りの機器に搭載されているGPSのことをどのくらいご存じだろうか。GPSはグローバル・ポジショニング・システムの略称で、米国が運用している衛星を使って位置情報を測るしくみのことだ。軍事用途で開発された技術で、2000年頃までは軍事目的以外では精度の高い位置情報を受信できないように操作されていた歴史を持つ。同年5月に米国が解放してから、世界中でGPS技術が幅広く活用できるようになり、一気に技術革新が進展した。
日本では「GPS」という名称が一般的に使われているが、GPSは衛星測位システム(GNSS=グローバル・ナビゲーション・サテライト・システム)の一つである。ロシアやEUなどは米国の軍事理由で利用を妨げられない独自のシステムの開発を当時から進めてきた。GNSSという名称を耳にするようになったのは、ロシアのGLONASS(グロナス)衛星が11年から本格的に運用を開始したことによる。中国のコンパスは既に国内向けの運用を部分的に始めている。EUのガリレオも来年には初期運用を開始する見込みである。
現在のところ、日本でもGPS衛星約30基とGLONASS衛星24基を利用できる。これらは世界的に利用可能なシステムだが、日本は地域的に利用可能な準天頂衛星「みちびき」の1号機を10年に打ち上げた。今後3基を打ち上げた後、4基体制で運用する予定だ。
GPSガイダンスの最新動向は、GLONASS衛星に対応できる機種が揃ってきたことである。衛星は地球の周りを回転しているため、使いたいときに必ず天頂にあるわけではない。衛星の数が増えれば、山際の圃場でも十分に衛星を捕捉でき、GPSを利用可能な範囲が広がる。

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