ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

独断注目商品REVIEW

黄化葉巻病対策でトマトの商品開発は戦国時代へ

トマトの最重要病害虫である黄化葉巻病に強い商品の売り込みに種苗各社がしのぎを削っている。今年に入って各社は耐病性だけでなく良食味を持たせた新商品を続々と投入した。同病のイスラエル系とマイルド系の両方に強い大玉トマトを紹介する。

ブリーダーを現地に派遣

トキタ種苗(株)育種第3部の吉田昌美部長の鼻息は荒い。
「黄化葉巻病対策は種苗会社が最も力を入れるところですからね、うちも今年はこれに社運をかけますよ」
同社では部署横断の10人チームが「TYプロジェクト」に着手。その成果として今年、早生の「豊作祈願」を発売したのだ。
特筆すべきはその育種体制。国内最大のトマト産地にして黄化葉巻病の多発地帯である熊本県八代市に、ブリーダー歴35年のベテランを派遣した。このブリーダーは同地に在住し、3年かけて「豊作祈願」を開発してきた。それだけの熱意をかける理由について、吉田部長はこう語る。
「今回目指したのは、トマトの木を強くすることで基礎体力を向上させ、ウイルスに感染しても収穫ができる品種の改良です。被害が深刻な生産現場で毎日観察したり現地関係者と情報交換をしたりすれば、本当に強い商品が作れると思いました。『豊作祈願』が強耐病品種というのはそのためです」
実際にJAやつしろ(八代市)による種苗各社の抵抗性品種の比較試験では、抑制期間の出荷量については「豊作祈願」が最も多かった。商品果率と秀品率でも、比較対象品種とした(株)サカタのタネ「りんか409」に次いで良好だった。同社によれば、節間が短くて1段当たりの収量が多く、11月から翌年2月の収量で10a当たり11tだったという。
「何より国内最大のトマト産地で評価してもらえれば、全国に広がる可能性が高まる」

関連記事

powered by weblio