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藻谷 人間という猿から発達した生き物は滅びない方向にある、と私は思います。鹿は狩らない限り増え続ける。でも、猿は狩らなくても少子化するようになっている。食物連鎖で上の方にいる動物は生態系を滅ぼし切る前に自分で減っていく。アジアや日本で人口が減っているのは我々が猿だからです。農業でいえば、より効率的に健康にいい物を作ろうという方向にいかざるを得ないんです。だから私は根本的には非常に楽観しています。団塊の世代より上は分かっていませんが、それより下の世代は分かっている。団塊の世代では分かっている人が少しはいる。だからこれから変わるんです。農村ではまだ団塊の世代が若手ですからね。
昆 だから、まさにいいタイミングで本を出されたな、と思うんです。農業ではなく里山に可能性があるというのは非常に共感できます。人間は猿であって鹿ではないから、自分たちを淘汰する力を持っている。その淘汰の過程にありながら、そのことの意味を理解する。それはお天道様の中にいる人間は身体で理解しているんですね。
藻谷 そう、増えすぎたと思っているんですよ。
昆 それでその人たちが経営から排除されてきて、彼らの経営能力というものを活かせば、里山は変わっていくんですね。本日は貴重なお話を伺わせていただきました、ありがとうございます。
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藻谷浩介 モタニコウスケ
株式会社日本総合研究所
調査部 主席研究員
山口県生まれの56歳。㈱日本総合研究所主席研究員、一般社団法人スマート・テロワール協会理事。平成合併前の全3,200市町村、海外114カ国を自費で訪問し、地域特性を多面的に把握。2000年頃から精力的に、地域振興や人口成熟問題に関する研究・著作・講演を行なっている。著書に『デフレの正体』『里山資本主義 』(共にKADOKAWA)、『世界まちかど地政学Next』(文藝春秋)など。共著に『進化する里山資本主義 』(Japan Times)、『東京脱出論 』(ブックマン社)。日本農業新聞のコラム「論点」に、2014年以来、年2回寄稿中。
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