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【江刺の稲】
穀物トウモロコシは麦や大豆よりもうかる
- 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
- 第209回 2013年09月24日
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その収益構造は、水田転作をしている経営者はぜひ注目すべきだ。現在の交付金制度があれば、食用の麦や大豆を作るより経営収支としては得だといえるからだ。
同氏の試算では35円×800kgで品代は2万8000円。人件費を含んで見込んだ10a当たり機械経費は2万3000円。この経費は同氏がコントラクターとしての作業代金であり、その利益も見込んである。残りは5000円。飼料作の交付金10a当たり3万5000円を足して農家手取りは10a当たり4万円。自家消費でもよい。
食用の麦や大豆についてくる数量払い分の交付金はないが、麦や大豆でどれだけ収益を出しているのか?
収量や品質の良い人の場合は別だが、麦や大豆と穀物トウモロコシを作るのと、どちらが手間や資材費がかかるか。トウモロコシはまいて除草剤処理をすれば収穫・乾燥だけ。畑作体系の機械を持っていれば新規の投資もなく、労働費や資材費は大豆などより圧倒的に小さい。
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昆吉則 コンキチノリ
『農業経営者』編集長
農業技術通信社 代表取締役社長
1949年神奈川県生まれ。1984年農業全般をテーマとする編集プロダクション「農業技術通信社」を創業。1993年『農業経営者』創刊。「農業は食べる人のためにある」という理念のもと、農産物のエンドユーザー=消費者のためになる農業技術・商品・経営の情報を発信している。2006年より内閣府規制改革会議農業専門委員。
江刺の稲
「江刺の稲」とは、用排水路に手刺しされ、そのまま育った稲。全く管理されていないこの稲が、手をかけて育てた畦の内側の稲より立派な成長を見せている。「江刺の稲」の存在は、我々に何を教えるのか。土と自然の不思議から農業と経営の可能性を考えたい。
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