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非GM飼料は15%程度は高く経済的に経営が成り立たない
それほどGMに反対する生産者がいるのであれば、自分たちが使う配合飼料も非GMの配合飼料を使えばいいではないか、と考えるが、そこにはやはり高学歴者が嫌う単純な資本主義社会が存在する。
非GM飼料はGM飼料に比べて最低でも15%程度は価格が高く、乳牛1頭当たりの飼料コストは年間30万円、100頭クラスの酪農家だと年間3000万円に及ぶ。同じ規模で非GM飼料を使うと最低でも450万円ほど多く支払うことになる。さらに、配合飼料の50%はトウモロコシが原料で、残りの穀類、大豆かすやナタネかす、綿実かすなどのすべての品種を非GMで調達するには大変な労力が発生する。ほとんどの生産者はこの15%に対する付加価値にモガキ、苦しむのは勘弁してくださいとなるので、「安全・安心」なGM飼料を使うことになる。
それでもGM飼料はイヤだと、こんな言い訳もしていた。
「苫小牧、札幌では非GM飼料を簡単に購入できるけど、道北で非GM飼料の販売はしていない」
そのような明らかな嘘が通じるほど世の中は甘くない。稚内近郊でも非GM飼料を販売していたのだ。まさか彼が大嘘をついているとは信じたくなかったが、非GM飼料を販売可能だった大手飼料会社に連絡してみた。「非GMの飼料を道北一円に販売可能ですか?」と尋ねると、担当者は明確に「できます」と答えた。
実はこれと同じ会話を08年にした経緯があり、あの嘘つきGM反対酪農家は1年間も嘘を言い続けていたのだ(たぶん今現在も)。高学歴で厚顔無恥とはまさしく彼のことだろう。まっ、そんな個人攻撃をしても得るものはないが、コラム的に最高の配合飼料(エサ)を撒いていただいたことに感謝しよう。
どう考えても非GM飼料は15~20%は高いので経済的に成り立たないというのが99・9%の事実であって、消費者の脇の下をくすぐる単語を羅列することで米国などのGMで成功した農業を見下すのは間違いである。
農業も産業の一つである。利益が出なければ、機械、土地、牛を新規購入することはできない。そんなことは中学生の私の子供でも知っている。そのような姿を子供たちに見せて、将来その子供たちがマトモな生産者になるわけがないし、なったなんて聞いたことはない。そうです、嘘つきの親からは嘘つきだと自覚しない、嘘つきの子供が育つのだ。
そういえば「多少コストが高くても、ブランドや消費者の理解があれば、商売として成り立つ」って言っていたのは誰だったかな? 残念ながら、「嘘つき」のブランドだけでは消費者は振り向いてくれないようです。未知の技術を否定するなんて聞こえはいいが、結局は昨日と同じことして、何もしないんだろ?
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宮井能雅 ミヤイヨシマサ
西南農場
代表取締役
1958年3月、北海道長沼町生まれ。現在、同地で水田110haに麦50ha、大豆60haを作付けする。大学を1カ月で中退後、農業を継ぐ。子供時代から米国の農業に憧れ、後年、オーストラリアや米国での農業体験を通して、その思いをさらに強めていく。機械施設のほとんどは、米国のジョンディア代理店から直接購入。また、遺伝子組み換え大豆の栽培を自ら明かしたことで、反対派の批判の対象になっている。年商約1億円。
北海道長沼発ヒール宮井の憎まれ口通信
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