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今年の市場相場を読む

鍋・煮物用野菜の動向 ハクサイ/ダイコン/ネギ/ミズナ

ここ数年来、内食傾向がやや強くなっており、とくに冬の期間には経済的で一家だんらんが演出しやすい鍋や煮物がはやりだ。調味料メーカーは鍋提案に余念がないが、野菜産地でもこの時期の鍋需要を対象にした作型や面積拡大で対応している。スーパー各社でも11月に入ると冬のフェア真っ盛りで、鍋や煮物を意識した品ぞろえをしてくる。大方の野菜はシーズンを迎えて量も増えて価格もこなれるが、一部には高いシーズン価格を設定しているものもある。しかし、シーズンに旬となる野菜はたくさん食べてもらうのが原則。生産者としては、正確な作柄や出荷情報などを発信したいものだ。


ハクサイ
10月から急増して鍋需要に対応、ミニハクサイなど新たな商品化も


【概況】
東京市場のハクサイは、昭和50年代からすると4割以上も減っているものの、2003年対12年の10年間を見ると年間入荷量はほとんど変化がない。産地構成からしても、夏産地である長野の終了と冬産地の茨城が本格化する10月に、夏場の倍量まで急増するパターンも変わらない。増えた入荷量は年明け2月までで、3月から急減するのも同じだ。秋から冬まで、鍋、煮物食材としての支持が固定化している。
【背景】
過去30年で市場入荷がほぼ半減しているものの、消費がそれだけ落ちたのではない。ハクサイには、鍋・煮物需要のほかに、漬物という底堅い需要がある。昭和50年代には市場から当用買いされた漬物用はその後、産地契約などの割合が増えていき、その分が市場流通から外れたのだ。最近ではキムチがブームとなっており、むしろ全体の需要は盛り返してきているとさえいえる。その一方で、鍋・煮物用の需要は下げ止まって堅調だ。

【今後の対応】
今年は10月上旬に、長野産地が干ばつの影響で不作、茨城産が遅れるなどで高騰した。気温が高かったため、鍋需要というより小売店での品ぞろえ需要が背景にある。季節が到来すると荷動きは堅調だが、それはある種のお約束であり、消費者が喜んで買っているわけではない。ハクサイ商材は家庭需要を前提とした食味、小型化が求められている。ここ2~3年、生協のカタログ販売で人気のミニハクサイに注目したい。

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