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小川幸夫の虫の世界から見る農業

無類の昆虫好き

筆者は、大学卒業後に農業機械メーカーへ入るも、自身が思う理想の農業を目指すため、2001年に千葉県柏市の実家の農業を継ぐ。畑は1町5反、うち4反がビニールハウスで年間100品目の野菜を生産している。
20年前まで地元の市場に個選でネギを出荷していたが、ネギの価格が低迷したことを受けて自宅裏に直売所を設け、色々な野菜を作って地元の消費者に販売するようになる。現在は地元の百貨店や高級スーパーにコーナーを構えてもらっての販売のほか、大型直売所や年間200回以上の朝市での販売、また地元レストランをはじめとしたくさんの飲食店に野菜を供給している。
筆者は、もともと昆虫が大好きで、幼少のころから畑で虫と一緒に遊んでいたことから、畑の虫にたいへん興味を持つ。
昆虫は作物を作るうえで害虫扱いされるが、よく観察するとそれを食べる益虫がたくさんおり、また害はほとんどなさない生態のバランスを取るどうでもいい虫もいる。この生き物たちの食いつ食われつの関係をうまく理解できれば、化学農薬の利用の手間とコストを省けるのではないかと模索する日々を送る。
現行の日本の生物農薬にしても、メーカー任せのマニュアル通りの利用になってしまっているのではないかと感じる。生物農薬は、化学農薬以上に使うタイミングを考慮しなければ意味がないことを理解する必要がある。単に生物農薬を道具として見るのではなく、生き物としてよく観察して理解することが必要なのではないか。当初は筆者も、販売されている生物農薬としての天敵昆虫を一通り使っていたが、在来天敵の捕獲利用を中心に、現在は天敵が定着するような環境整備に力を入れている。

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