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【特集】
信頼されるブランドをつくる広報~ブランドの価値を見いだす~
- 編集部
- 2013年12月25日
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ブランド
コーポレート・ブランドの確立と進化
ブランドは、市場での差別化の役割を担う。新潟県上越市の農業生産法人、有限会社内山農産は、自社生産のコメを内山農産ブランドとして確立してきた。今後、さらにそのブランドを進化させるべく、価値を明確にし、屋号の「ヤマブン」を市場に浸透させようと試みている。自社製品の市場での価値をどうとらえ、どのように企業ブランドを育てているのか内山義夫社長の視点を紹介する。
【安全とおいしさで信じてもらうブランド】
「おいしくなければ、信じてもらえない」
同社は、コメの生産とコメを含む農産物の加工販売などを事業領域とする。作付面積約32haの農業生産法人で、すでに同社は各種メディアに取り上げられる有名ブランドとなっている。経営方針でもある「安全でおいしい食糧を生産」がブランドの土台である。
「我々も幸せになりたいし、お客様にも幸せになってほしい。食べ物を扱っている仕事ですから、やっぱり安全・安心は外せないので、そこはこだわっています。そのうえでおいしくなければ信じてもらえません」
同社の主力はコシヒカリである。有機JAS認定や特別栽培農産物認証のコメも生産しており、ワンランク上のコメを提供することで、価格を高く維持してきた。
【顧客の声に応えた作付け】
同社の主なターゲットは、個人消費者とこだわりの米屋である。今年、顧客のニーズに応え、コシヒカリより収量が多く、安く供給できる品種を増やした。
「高いコシヒカリばかり食べられない家族構成のお客様もいらっしゃいますから、コシヒカリ以外でおいしくて収量が多い品種を単価を下げて提供するようにしています。こしいぶき、みずほの輝き、キヌヒカリなんかがそうですね。当社は、これを作ったからと売るのではなく、お客様からの要望にも応えています」
これは、生涯顧客を育てるためでもある。
また、米屋からも依頼があり、みずほの輝きとキヌヒカリの契約栽培を始めた。
「東京のこだわりがある米屋から要望が上がってきたんです。コシヒカリよりもう少し価格が安く、おいしい新潟のコメを探しているというんです。それでコシヒカリの作付面積を減らし、他の収量が多い品種でコストを下げて安く出す方向にも舵を切りました。本格的に面積を変えたのは今年からです」
【差別化を図り、市場を掘り起こす】
同社は、ブランドの価値を明確にするため、来年から思い切ったスタートを切る。
「有機栽培の比率を上げていくと決めています。市場の動向や価格、品質も見ながらですけど、他の農場がやる前に有機JASを確立したいので。特別栽培農産物は他でもやっていますし、みんなと同じところを目指しても、価格に振り回されることになると思っています。ちょっと困難なことをやり続けるほうがいいかなと。少し上を行くと、お客様には支持されるだろうと思っています。時間がかかると思いますし、大量にはできませんけどね、少しずつ、少しずつ増やしていこうかと。どんどんコストを下げて海外へ持っていくよとか、中食や外食と取引するよとか、経営の形態は違ってもいいと思います。お客様と市場は掘り起こせばまだまだあるというのはわかります」
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