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特集

障害者や高齢者らとつくる農業経営


その他にも、労働保険や社会保険の加入などが条件となるが、試行期間終了後の雇用を見込んで障害者を実際の職場で訓練する「職場適応訓練」制度がある。訓練期間は通常が6カ月(重度障害者の場合は1年)以内で、事業主に訓練費として月額2万4000円(同2万5000円)が支給される。短期の場合は2週間(同4週間)以内で、日額960円(同1000円)の支給となる。
また助成金は支給されないが、障害者の職場適応と受け入れ側の農業経営者を支援する「職場適応援助者(ジョブコーチ)」制度の活用も検討に値する。地域障害者職業センター所属の配置型ジョブコーチや社会福祉法人などに所属する第1号ジョブコーチが個々の現場に出向き、障害者とその家族、事業主や従業員の双方に職場適応に必要なアドバイスを無料で行なう。トライアル雇用段階での利用も可能だ。
より長期的な視点で障害者の雇用拡大、戦力化を志向する農業経営者には、「第2号職場適応援助者助成金」の活用による社員ジョブコーチの確保を勧めたい。ジョブコーチ制度では例えば、民間企業で障害者職業生活相談員の資格を取って障害者雇用に関する業務に3年以上就き、障害者職業センターまたは厚生労働省の認定機関が行なう研修を受けた第2号ジョブコーチ認定者を社員として採用し、障害者の職場適応を支援した場合に、事業主にジョブコーチ賃金(時間単価×援助時間)の4分の3(上限月15万円)が障害者一人につき最大で12カ月間支給される。
業務内容を熟知したジョブコーチを社内に抱えることで職場適応のノウハウが蓄積され、定着率と生産性の向上が期待できる。雇用実績を積めば、今度は社員をジョブコーチにすることも可能だ。なお企業内ジョブコーチは独自の制度を設けている都道府県が少なくない。
精神障害者や重度知的障害者の雇用促進、職場定着では「精神障害者等雇用安定奨励金(精神障害者雇用安定奨励金・重度知的・精神障害者職場支援奨励金)」が、障害者全般の制度とは別に設けられている。

【併給を視野に入れた制度活用を検討しよう】

試行雇用の段階で職場適性・能力を見極めると、次は長期雇用するか否かの決断を迫られる。
農業経営者が一番活用しやすい障害者の継続雇用助成金が「特定求職者雇用開発助成金」制度だ。ハローワークに加えて民間の人材紹介会社からの紹介も対象で、1年半から2年の助成期間中に一人につき最大240万円が事業主に支給される。重度障害者を除く身体・知的障害者を雇用すると135万円、重度障害者などの場合なら240万円。重度障害者などを含む身体・知的・精神障害者を短時間労働者として雇用した場合、90万円が支給される。

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