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発達障害者や難病の人を雇用した場合は、「発達障害者・難治性疾患患者雇用開発助成金」の対象となり、事業者には135万円、短時間労働者なら90万円が支給される。
雇用プロセスに沿って制度をそれぞれ紹介してきたが、各種制度は要件を満たしていれば「併給」も可能だ。例えば、事業者は試行雇用の期間中に障害者トライアル雇用奨励金を受け取り、正式雇用した後で特定求職者雇用開発助成金を受け取ることができる。
さらに従業員数50人以上の農業法人が障害者の雇用義務を果たすために初めて障害者を雇用する場合、一事業主につき120万円を支給する「障害者初回雇用(ファースト・ステップ)奨励金」制度がある。要件を満たす対象法人であれば、制度上は前記2制度との三重取りも制度上は可能となる。もちろん初回雇用とトライアル、初回雇用と特定求職者との併給だけでも可能だ。
【高齢の企業人材確保にも使える助成金制度】
国の雇用関係助成金には、事業発展のために企業経験豊富なシルバー人材を確保したいと考える農業経営者が使えるものもある。
例えば、先に挙げた特定求職者雇用開発助成金制度の対象には「60歳以上65歳未満の高年齢者」が含まれている。企業経験は豊富だが再就職先がなかなか見つからない、定年で会社を退職したが農の分野で働きたい、といった人材をこの制度で雇い入れれば、事業主には1年間で90万円が支給される。
ほかにも企業人材の獲得に活用できそうなのが、「高年齢者雇用安定助成金の高年齢者労働移動支援コース」制度だ。これは民間の人材紹介会社の紹介で、他の事業所に在籍する65歳未満の従業員を定年の1年前から定年退職までの間に雇用すると、一人につき70万円が支給される(短時間労働者として雇用する場合は40万円)制度である。それまでの知識・経験を生かすという意味で、主に同業種間の会社移動が想定されているようだが、制度上は同業種間に限るという要件の制約はない。むしろ移動する本人と移籍元事務所の事業主との同意が必要なので、農の分野では農業法人間の移動より異分野の企業人材獲得のほうが使い勝手がよいのではないか。
障害者雇用では、労働能力が著しく低いなどの場合に限り、最低賃金を減額できる特例が認められている。最低賃金を一律に適用するとかえって雇用機会を狭めるおそれがあるためで、減額する場合は使用者が個別のケースごとに都道府県労働局長の許可を受ける必要がある。
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