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特集

外食チェーンの調達方針


今、外食バイヤーが探しているのは、それらに替わって“宣伝文句”に使える何らかの固有の取り組みや歴史がある生産者・産地だ。
それは「有機」「国産」がセールスポイントになり得たことと同様、「だから味がよい」という合理的な理由になるのかどうかは別の話だ。というのも、大多数の消費者は“味覚”ではなく“情報”で飲食店や商品を選んでいるからだ。このことは半面で、昨年取り沙汰された「メニュー虚偽表示」発生の温床でもあるのだが、外食の商品開発の考え方として無視できない点でもある。
ただし、その場合も、量と基本的な品質が担保されることが必須の大前提であることに変わりはない。

齋藤訓之(さいとう・さとし)
「Food Watch Japan」編集長
1988年中央大学卒業。柴田書店「月刊食堂」編集者、日経BP社「日経レストラン」記者、「農業経営者」副編集長を経て独立。「FoodScience」(日経BP社)で「食の損得感情」を連載。2010年より食のプロ向けサイト「Food Watch Japan」を運営。著書に「外食業界のしくみ」「食品業界のしくみ」(共にナツメ社)など。
http://www.foodwatch.jp/


case1
セントラルキッチンを持つ
大手外食チェーンの調達

【安定した品質。量、価格、そして安全であることが原則だが、
今は栄養価も考えるとき。】

横川竟(きわむ)氏は、1970年、日本にレストランチェーンを導入したすかいらーくの創業者の一人である。08年に退職後、現在、きわむ元気塾塾長として外食産業の育成に尽力している。
すかいらーくグループは、年商3000億円を超える外食産業界の大手企業だ。マーチャンダイジングと、複数の店舗用に調理するセントラルキッチンの仕組みを日本にいち早く取り入れ、77年には埼玉県に東松山工場を立ち上げている。
横川氏が、過去、すかいらーくの礎を築く過程でどんな食材調達をしてきたのか。そこには、外食チェーンの食材調達の基本的なニーズと、契約栽培の産地との関係の源流がある。そして現在、外食産業界に指導する立場として、これからの食に期待することは何かを聞いた。

【創業当初は量と品質と価格の安定が第一】

すかいらーくの創業当初は仕入れる野菜の量は少なかったため、都内立川市の野菜市場から立川の小型セントラルキッチンに仕入れていた。創業時は、品質と量と価格の安定を第一に考えていたという。

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