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編集長インタビュー

先物は必要、農協は有益な情報を開示せよ


昆 加工用米は農協で取引しているんですか?
小林 いえ、水田利活用協議会をつくって、そこを窓口に10万俵を越える取引を開始しました。農協はそこをバックアップしている。農協が率先して手伝うことで、農協の口座に直接交付金が入ってくるようになったことは良かった。
昆 それは大きいですね。
小林 ええ、今まで個人で玄米の販売をしている農家は農協以外の銀行と取引していた。それが加工用米の取引で農協の口座を使うようになってくれたんですから。
昆 餌米など新規需要米を検討することはなかったのですか。
小林 いや、検討はしたのですが、市場を自分たちで新たに築くということの壁にぶち当たってしまい、とても難しいと思いました。
昆 餌米については今度、最大10万5000円の交付金がつくことになりましたね。
小林 餌米には懐疑的な見解を持っています。ただでさえ安い原料を輸送する費用を誰が持つのかということですよね。東北地方には餌の拠点が八戸と石巻にしかない。そこまで運賃をかけてやるのか、と。そこから乾燥・調製の費用も含めれば農家の手取りは100円玉何枚にすぎないんじゃないでしょうか。また、家畜に新米を食わせて国民が古米を食べるなんて、モラル的にみても農家経営にとっていいことなのかどうなのか甚だ疑問です。
昆 世界中で米を餌にするなんて国はないですよね。ところで加工用米の販売についてもカントリー公社がやっているんですか?
小林 ええ、委託販売については。それでも組合員の利用でいえば40%弱ですかね。511戸ある経営体のうちの40%弱。残りは個人で乾燥機を持っています。
昆 大潟村農協が所有する乾燥・調製施設はまったくない?
小林 ないです。コメの販売に関してはない。では何で農協を運営しているかといえば、金融と共済、それから資材の販売。うちは近隣の農協と比べてかなり安い値段で提供できています。村にスーパーがないから代わりに農協が運営しているけど、それはぎりぎりです。だから資材の販売、特に安く売るというのは重要です。昔、「カーギルBB肥料」というのがありましたね。カーギルが肥料会社を買収してやっていたんですが、ある時、貨車でその安い肥料を積んでやってきた。それに農家がみんなでダンプを横付けして持って行った。だから大潟村農協は常に闘わされているわけなんです。もちろん農協としても負けるわけにはいきませんから、系統だけでなく商系各社にも資材を用意してもらい、その中から選んでいます。いまは資材の調達先の8割は商系。これからの農協経営はそうした意識を持ってやっていかないと駄目ですよ。

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