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図1にRTK─GPS方式のシステム構成図を示した。レーザーの代わりに基地局から届く補正情報を元に、レベラーの現在地の正確な位置情報と高さ情報を得る。レーザーのように発光機と受光機が一対で高低差を出すのと違い、GPSは基地局と移動局は一対ではない。半径5の範囲内であれば、何台でも同じ基地局を利用できるのもGPSのメリットである。GPSは干渉しないので、誤作動の原因はなくなる。
GPSレベラー導入のメリット
ここまでは、レーザーレベラーの問題点を克服したに過ぎないが、実はGPSを利用するメリットはもっと奥が深い。GPSを利用すると、高さ情報と同時に、位置情報や時刻も取得できる。単刀直入に言えば、圃場の凸凹マップ(図2)を作成できるということだ。これまでは頭の中で「こっちが高いから、あっちの低いところに土を移動しよう」と判断していたものが、高いところは赤く、低いところは青く表示される。つまり、「赤色エリアから青色エリアに土を動かせばいい」ということが頭を使わなくても一目で分かる。効率よく均平作業ができ、作業時間の短縮にもつながる。
さらに、盛土・切土を事前にシミュレーションすれば、作業の見込みが事前に把握できるようになる。図3はシミュレーションした盛土・切土マップである。請負作業であれば、これが見積もりの根拠になり得るだろう。
また、GPSの受信局としてガイダンスモニターを利用するので、自動操舵システムまでを搭載すれば、レベラーが不要なラインをスキップしたり、オーバーラップを最小限に抑えた高精度な管理作業が可能になる。
レベラーとRTK─GPSの
複合システムという考え方
ここまでのシステムを自賄で揃えようとすると、大きな投資になる。投資の効果を得られるだけの面積を考えると、導入が遠のいてしまうだろう。しかし、GPSレベラーは、レベラーという作業機とRTK─GPSの複合システムとも考えられよう。既にレベラーを所有されていたり、GPSガイダンスを活用されている方は、すべてを新たに購入する必要はない。徐々にそろえてきたという方にとっては、手が届くかもしれない。
なお、RTK─GPSについては、地方自治体によって取り組みに熱心な市町村もあれば、そうでない市町村もある。基地局を地方自治体が導入すれば、地域内で利用料を負担するだけで、ガイダンスであれ、レベラーであれ、利用できる環境が整うことになる。導入を考える際には、GPS環境を検討いただき、地形によっては、GPSや無線電波の受信が難しい場合もあるので、留意していただきたい。
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