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特集

天候の異変を読む経営 異常気象時代に生き残るリスク管理

日本人は昨今「想定外」という言葉を多用するようになった。しかし、本来見えないはずの将来を予測しようとすること、さらに予想もしない事態は常に起こり得ることを忘れずにそれにも備えることこそが、人類を繁栄させてきた。近年、大雨、大雪、雹、強風、竜巻などの気象災害が農業にも大きな被害を与えているが、それを予測しようとする努力と最悪の場合に対応する備えは、経営にはどうしても必要なものだ。それを考えるために、まず従来の常識では考えられない気象が起こりやすくなっている事実を押さえる。その上で、この気象予測困難な時代に各地の農業経営者が心がけている予測努力とリスクを織り込んだ経営管理を見ていく。(文・編集/平井ゆか、齋藤訓之)

1
豪雨・豪雪・雹・竜巻……
今までの常識を超えた列島の異常気象

近年、規模、種類、突発性などについて、従来の想定を超える気象災害が多発するようになっている。大雨は短時間の強雨や、雨雲が停滞した長時間の降雨など、今までにないパターンの降り方が目立つ。大風、竜巻、雹、大雪による被害も増えてきた。メディアが伝える天気予報だけでは、実際にどのような事態が起こるかわかりにくくなってきた。


2
気温上昇・短時間強雨・渇水……
国際的な研究で予測されているリスク

近年の異常気象、激甚な災害の多発には、地球温暖化が関係していると考えられている。そこで、最新の研究ではどのようなことがわかり、今後何が起こることが予測されているのかをまとめた。そこからわかることは、農業も今までの常識で考えていると、大きな失敗につながる可能性があるということだ。

地球温暖化と、日本への影響は、今どのように考えられているのか。環境省の「温暖化影響評価・適応政策に関する総合的研究」が3月17日に発表された。これによると、日本の今後の影響について、「気象災害、熱ストレスなどの健康影響、水資源、農業への影響、生態系の変化」が挙げられている。
国立環境研究所の高橋潔氏は、今後の日本の農業について、「気温の上昇に応じて、栽培に適した時期の変化が生じると考えられます。また、単純に南より北がよくなるわけではありません」と言う。

【地球温暖化の原因は取り除かれていない】

地球温暖化とは、地球の平均気温が長期的な期間に上昇している現象である。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が2013年9月27日に発表した第5次評価報告書(自然科学的根拠)によると、世界の平均気温は1880~2012年の間に、0.85度上昇している。日本はそれを上回るスピードで、同期間に1.15度上昇している。
将来の気温がどこまで上がるかについては、IPCCが4つのシナリオ(RCP)を示している。1986~2005年の平均を基準とした2081~2100年の世界の平均地上気温は、可能な限りの温暖化対策を実施した場合のシナリオでは+0.3~1.7度、実施しない場合のシナリオでは+2.6~4.8度の上昇となる可能性が高い。
IPCCの報告に長く携わってきた高橋氏は次のように説明する。
「気候は、いろいろな時間スケールでの変動が重なって形成されています。変動には、数年~数十年スケールのものもあれば、地球の軌道の要素に関わる数万年スケールのものも含まれます。火山噴火に伴う一時的な寒冷化などもあります。地球温暖化という趨勢とは別のメカニズムによっても気候は常に変動している。しかし、過去半世紀の全球的な気温の上昇傾向については、人間の活動による地球温暖化が主たる原因であると考えられています」
ここで言う人間の活動とは、主に温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素など)の増加である。特に二酸化炭素の増加が著しいとされ、これは今なお増加している。つまり、地球温暖化が止まる保証はまだないということだ。

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