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特集

天候の異変を読む経営 異常気象時代に生き残るリスク管理


大雨が降った際の表面排水には、ポンプによる排水という手段もあるが、これは圃場ごとにポンプが必要で、燃料もかかる。しかも、最大の欠点は、人間がいなければ設置・稼働ができず、突然の豪雨ともなれば後手に回ることになるという点だ。

【レーザーレベラで圃場に精密な勾配をつける】

明渠を掘っても、圃場内に起伏があれば、低いところに水が留まり、せっかくの明渠も役に立たない。また、均平に整備された圃場でも、圃場表面が水平に近い圃場では、やはり雨水がいつまでも圃場内にたまり、明渠まで流れていかない。
雨水を圃場内から明渠まで速やかに移動させるには、まず第一に圃場が均平である必要があり、さらに、適正な勾配がついているべきだ。この勾配は、畑の場合100m当たり5cm程度がよいとされる。転作畑など透水性の悪い場合には10cmなどでの施工も行われるが、勾配が急すぎると表土が流されやすくなる。
しかし、いずれにせよこれは水糸を張って目測に頼って施工するというやり方は困難だ。そこで力を発揮するのが、レーザーレベラだ。これは、レーザー発光器で墨出し(水平線を出す)し、それを作業機に取り付けた受光器で拾って作業機の接地面の上下を自動的に調節しながら作業を行うものだ。水田等では、100m当たり2cmといったわずかな勾配を精密に付けることも可能だ。

【縦浸透確保の基本は心土下の暗渠】

圃場表面の水を明渠等で圃場外へ排水したとしても、作土中にいつまでも水を含んでいるようでは湿害を起こす危険がある。したがって、排水は縦浸透も確保すべきだ。その決め手となるのが暗渠の埋設だ。
暗渠の埋設は粘土質土壌や泥炭層がある圃場など、水の抜けにくい地域ではよく行われてきたが、大雨対策が必要な時代には、より積極的に取り組みたい排水対策だ。
施工は、バックホー等で圃場に心土を超えるまでの深さで溝を掘り、そこに排水路となる材料を置いて埋め戻す。この材料は、歴史的には粗朶木、竹、材木辺(チップ)、礫、貝殻などさまざまなものが試されてきたが、今日一般的なのはところどころに穴を開けたコルゲート管だ。
暗渠も内部で水を移動させるものだから、やはり勾配を付ける必要がある。小規模な圃場であればはっきりとした勾配をつけてもかまわないが、大面積の圃場となると高低差を付けるのに大工事となってしまう。そうした場合は、やはりレーザーレベラ搭載のトレンチャを使う。

【作土層から暗渠まではサブソイラで浸透を速める】

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