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紀平真理子のオランダ通信

なぜ日本人はMade in Japanにこだわるのか?(3・最終回)

ヒアリングと考察から、日本人が国産を好む理由が少し見えてきた。
本誌の先月号の特集で紹介されていた久松達央氏の著書『キレイゴトぬきの農業論』の中で有機農法と慣行農法に関する説明がある。そこには「『安全』と『安心』は異なる」とする一文があった。慣行農法でも「安全」は保証されているが、消費者は「安心」ということで有機農法を選ぶ。国産品と輸入品に関しても同様の説明が可能だ。日本人が国産にこだわる理由は、「安全」だからではなく、「安心」だからだ。輸入されている時点で「安全」は保証されている(べきである)にもかかわらず、「安心感」から国産品を選択している。もし仮に安全でない輸入品が日本市場に流通しているのであれば、一刻も早く解決しなくてはならない問題である。日本人でも若い世代では、国産品(生食用)と輸入品(調理用)を使い分けていたり、輸入品を購入することもあるという人もいる。ドライでシンプルに考え、輸入品の「安全性」と価格格差によって輸入品を選択しているようだ。
また、多くの人が回答した「国産品はおいしい」という点については、国産品は日本人好みの味に品種改良されているからだろう。日本に一時帰国した際に感じたのだが、日本の野菜や果物はとても甘い。軟らかいものを好む人も多いように思われる。日本在住時、筆者も甘くて軟らかい野菜が好きだった。しかし、郷に入れば郷に従えで、近ごろは酸っぱいものは酸っぱく、苦いものは苦く、硬いものは硬く食べることのおいしさにも気づいた。

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