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イベントレポート

農村経営視察会 第1回 農業生産法人 みわ・ダッシュ村


「彼らは自給自足をしたいって言うけれど、たいがいは経済のことを無視している。でも、人が生活していくには経済のことは欠かせないじゃないですか。現実から目をそらす人とはうまくやっていけないですね」
ダッシュ村では年間通して人を募集している。なかには家族連れで水道もない集落に移住した人もいた。ただ、彼らのほとんどは出て行ってしまった。村長の清水さんはいう。
「自然の中で生きるのは厳しいですから。水道がなくて山水を引いて使うなんて、慣れてない人にはまずできないですよ」
だから入村の希望者には「限界集落」で住む前に、水道も電気もガスも通っていて暮らしやすいダッシュ村近くの住宅に滞在してもらうことを勧めている。そこで「限界集落」の厳しさを教えながら、地ならしをしていく。
ダッシュ村の活動を見聞した長野県飯田市でエノキダケを生産する沢柳きのこ園の沢柳幸弘代表は「分かる人とだけつながることが大事だと感じました」とまとめた。
同研究会のアドバイザーである、カルビーの松尾雅彦相談役は「稼ぎと勤め」を説いた。稼ぎとは経済行為。一方、勤めとは相互扶助行為で、文化人類学的にいう「互酬」と置き換えていいのかもしれない。「稼ぎと勤め、村はこの両方がないとうまくいかなくなる」と諭した。

マッシュルームフォレスト

このほか研究会を通じて参加者は、自分たちの農村経営に関する現在の活動や感想について紹介した。
長野県飯田市でエノキダケを生産する沢柳きのこ園の沢柳幸弘代表は、2月にあった農村経営研究会の初会合で菌床の廃材でエネルギーを自給することを発表したばかり。今回さっそく新たな計画を披露した。その名も「マッシュルームフォレストリー」。里山をいくつかのエリアに分けて、標高差を使い分けながらそこで四季折々のキノコを栽培する。そうなれば年間通してキノコ狩りができる場所として人を呼び込める。計画では、エリアごとに複数のキノコが生えるようにして、来場者が自由に採取できるようにするという。
福島県郡山市から参加した降矢敏郎さんは「村にある空気や太陽、水の良さって地元の人は気づかないんですよ」と指摘。その土地の魅力は外から発見してもらうことが大切であるいう意見を述べた。

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