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女性の就農者を増やすとともに、男性の就農者をも誘い込もうとする二次的な目的もあると推測される。
※関連語《職業婦人》
大正時代、女性の会社員を指した言葉。その後ビジネスガールを略したBGの語が使われ出したが、英語圏での印象が悪いとしてオフィスレディを略したOLが使われるようになった。さらに、バブル期頃にはキャリアウーマンの語が使われるようになったが、総合職や管理職志向の女性に使われることが多い。
「専業主夫」「育メン」「弁当男子」が増える今日、「職業紳士」「キャリアマン」「農業男子」という言葉も遠からず使われるようになるものと予想される。
02
「『家族経営協定』作ったら調印式までしてくれました」
至れり尽くせりおせっかいな政策用語編
【営農】えいのう
全国各地のJAのホームページに「営農」の定義が出ている。ほぼいずれも「『広辞苑』によれば」と前置きした上で「農業を経営すること」と記している。その上で、「農協で言う営農とは、組合員が農業を通じて働きに見合った所得を得て、健全な農家経営・農村生活を行なえること」と独自の見解を示している。
天下の広辞苑を引き合いに出しておいて、それよりも自分たちが緻密で深い理解をしていることを高らかにうたうとは、さすが日本の農業や農村を誰よりも愛してやまないJAである。
ここで目を見張るのである。JAは「営農」の定義で「組合員が農業を通じて働きに見合った所得を得て」としているが、JAの組合員の大部分はコメを主体にした兼業農家だ。彼らが「農業を通じて働きに見合った所得を得る」ことができるのならば、兼業はしないのでは……。
それなのにこんな文言をわざわざ書いているのは、「足りない分は国が金を出せ!」という意味に見えてしまうのだが、まさかJAに限ってそんなことはあるまい。
そしてもう一度目を見張るのである。JAは「営農」が目指すものを「健全な農経営」ではなくて「健全な農経営」としている。つまり、産業としての営みではなく、家族としての営みこそが大切であるというわけだ。温かみを感じるではないか。JAは、個々の農家の経営が産業としては成り立たなくても、家族として成り立つようにせよ、と言っているのだろう……。
ん? やっぱり「足りない分は国が金を出せ」という意味に見えてしまうのだが、気のせいだろう。
いやいや、我々はさらに目を見張るのである。JAは「営農」が目指すものとしてもう一つ、「農村生活」を入れているのである。さすが地域に根を張り、その暮らしを守るJAである。
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