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編集長インタビュー

食管制度の呪縛が解けぬ農業界 時代の変化に合わせて経営は変化するもの


昆 他にもインターネットで新しい提案をされているようですね。
市川 はい、「米市場.com」というネット上の米市場の場をつくりました。売りたい人がいる、買いたい人がいる。制約すれば、ネット上の米市場を仲介して売買を行なうと。
昆 あくまでも現物マーケットということですか?
市川 そうです。出品料は無料で、制約した場合のみ出品料の5%をいただきますというビジネスです。多少取引はありますが、もっと活発に使っていただける米市場にするためにいろいろ考えているところです。結局、余っているコメや、普通の売りではないものを売りたいっていう人は必ずいるはずなんですよ。アウトレットみたいなね。
昆 良質品だけを扱うのではなくて、いろんな顧客のニーズに合わせたものをマッチングする場ですね。出口でいろいろな商品とサービスの開発がない限り、原料ってできないですからね。
市川 競争状態があって初めて厳しいけれど、よりよいサービス、より良いものが生み出されてくる。努力せざるを得ないし、そこに追い込まれるわけだから。
昆 いろんな競争があって、失敗する人がいる、破たんする人がいる、それ自身がまずいといっているのが農業界であって、それは望ましいことなんだよと。
市川 農業界だけでなく、日本全体でそこが欠けているんですよね。コメの流通販売業界が全く同じです。昔は食管法で守られていたけれど、いまはもちろん行政の補助もありませんから、ただ売れなくなって市場からほとんどなくなっちゃった。人口43万人の町田でも昔は何十軒もあったのに、元気にやっているコメ屋さんは数軒しかありあません。
昆 それは自然なことですよね。
市川 アメリカの社会がいいというわけではないですけど、優秀な奴ほど俺は社長になるって思っているわけですよね。自分の意思で会社をつくり、商品をつくり、そこでチャレンジしていくのが、男にしても、女にしてもやりがいがありますよね。
昆 特に若い水田経営者たちは今くらいチャレンジできるタイミングはないと思うんですよね。
市川 チャンスですね。そういう人が増えて、切磋琢磨していく社会になってほしいなと思います。

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