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シリーズ水田農業イノベーション

水田農業イノベーション研究会2014 第1回:水田での子実トウモロコシ生産に関する検討会

子実トウモロコシは、2014年度の作付面積が全国で100ha以上に広がった。昨年、府県では初めての試験栽培が岩手県花巻市の盛川農場と秋田県大潟村の(有)正八で行なわれた。70aでの試験的生産に取り組んだ(有)盛川農場では、同じ岩手県花巻市内の養豚家、高源精麦(株)の高橋誠氏との出会いにより、地域内循環が実現した。今回の研究会では、盛川氏の事例と各関係者の知見を受け、経営と技術における将来の可能性と課題について情報共有をした。 (取材・まとめ 平井ゆか)
(株)農業技術通信社は5月22日、岩手県花巻市で水田農業イノベーション研究会を開催した。今回は、水田での飼料用の子実トウモロコシ生産をテーマに、昨年、試験的に子実トウモロコシを生産した(有)盛川農場(岩手県・花巻市)での作業体系の見学会の後、同市内のホテルで畜産会社、種苗会社、乾田直播の研究者を講師に迎えた講演会および検討会を行なった。当日は、全国から耕種・畜産農家のほか、機械メーカー、種苗メーカー、流通関連企業、行政など総勢80名余りが集った。それぞれの立場から活発に情報や意見が交わされ、子実トウモロコシの市場性と経営上のメリット、課題が具体的に示された。
水田での子実トウモロコシ生産の鍵となるのは、水稲の乾田直播、そして、大豆や麦などとの輪作を想定した畑作作業機体系といえる。そこで今回の研究会は、播種前作業から真空播種機による播種や収穫までの一連の技術・機械体系に関する情報共有を主軸に展開された。
見学会では、はじめに盛川農場の盛川周祐氏が昨年実施した播種前作業から播種、収穫、商品化までの実作業について報告した。前日の雨の影響で、当初予定していた播種床造成と播種の実演は中止されたが、盛川農場の機械倉庫内で、各機械メーカーによる実機のデモンストレーションが行なわれた。
会場を市内のホテルに移しての講演・検討会では、はじめに本誌編集長の昆吉則氏が、子実トウモロコシの国内生産の産業的意義としての国内産トウモロコシの市場性と、トウモロコシ生産における投下労働と投下資本に対する収益性など経営上の意義を説明した。
盛川農場の盛川氏より、実体験に基づく経営上の利点と課題、および、地域内の養豚家との取引の経緯について説明があった。続いて、盛川氏のトウモロコシの受け入れ側である畜産家の高源精麦の高橋誠氏より、輸入トウモロコシの価格変動、堆肥の受け入れ先の問題の解決策として、国産トウモロコシへの期待が語られた。パイオニアハイブリッドジャパンの白戸洋一氏が、トウモロコシ生産のための施肥から収穫、商品化までの一連の作業について説明した後、東北農業研究センターの大谷隆二氏はプラウ耕鎮圧乾田直播および乾田直播による輪作の機械・技術体系の解説をした。

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