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特集

耕種農家のための飼料穀物入門


トウモロコシ(Corn/Maize)

南米原産のコムギ、イネと並ぶ最重要飼料穀物で、光合成効率に優れたC4作物。品種はスイートコーン(甘味種)、ポップコーン(爆裂種)、ワキシーコーン(もち種)、ソフトコーン(軟粒種)などがあるが、飼料用に最適なのはデントコーン(馬歯種)とフリントコーン(硬粒種)である。特にデントコーンは栽培期間が長く、収量性も高い。世界的に生産コストが低いため、濃厚飼料の原料としての需要が多い。我が国ではサイレージ用には栽培期間が85~135日の品種があり、子実用では100日タイプ以上で収量が上がる。最適品種は積算気温等により地域によって異なる。生育可能な最低気温は7~8℃と低く、高緯度、高地でも作付けが可能。湿害に弱いので、排水良好な圃場を選択することが重要。排水不良地で栽培する場合は、明渠を堀、表面水を排水するだけでも被害を大幅に緩和できる。
【世界の生産量】穀実で約8億7,200万t(2012年FAO統計)
【日本の生産量】青刈りトウモロコシの作付面積は92,500haで、収穫量は479万t(2013年作物統計)
【利用形態】穀実、ホールクロップサイレージ、イアコーンサイレージなど

ソルガム/ソルゴー(Sorghum)

アフリカのスーダン地域原産のC4植物で、オオムギに次ぐ世界で5番目の生産量の飼料穀物。グレインソルガム(穀実用)、フォレージソルガム(粗飼料用)、スイートソルガム(糖生産用)、ブルームコーン(箒モロコシ)がある。世界的に穀実は濃厚飼料原料として利用されるほか、ホールクロップサイレージや分げつ数が多く再生力が強いスーダングラスなどは青刈り用に用いる。栄養価は品種や生育ステージによって大きく異なる。高温・干ばつに対する耐性が強く、トウモロコシの栽培に適さない半乾燥地や亜熱帯域においても低コストで生産できるが、耐湿性が弱く、低温伸長性に劣る。品種による特性の違いが極めて大きいので、想定する作付体系や利用形態に適した品種選定が重要。排水不良地で多収が期待できる作物ではないので、十分な排水対策が不可欠。
【世界の生産量】穀実で約5,700万t(2012年FAO統計)
【日本の生産量】作付面積は16,500haで、収穫量は87万7000t(2013年作物統計)
【利用形態】穀実、ホールクロップサイレージ、ロールベールサイレージなど

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