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編集長インタビュー

互いにありがとうと言い合える「お客さん」との店づくり


8割方は野菜を持ってきます。道の駅で売られている野菜ですね。それが売れると子供たちは驚くんですよ。自分たちの地元の野菜はこんなにいいんだって。子供たちの頑張りもあるんですが。その感想を生産者に伝えたら、生産者はたまらないぐらいうれしいんじゃないかと思うんです。
昆 そうですね。
安井 先日、販売実習に来た愛知県岡崎市立常磐中学校は、地元の饅頭屋と連携して、オリジナルのお饅頭を持ってきて売ったんです。500個全部売り切りましたよ。
中学生たちは販売体験で売り切ったとき、すごく感動してくれます。どうだったと聞くと、「こんなに楽しいと思わなかった」と答えます。辛いときはどうだったと聞くと、「ありがとうとか、頑張ってねと言われたので頑張れた」と言います。
昆 中学生たちが、安井さんの子供のころの追体験をしているんですね。
安井 そうなんです。僕は、中学生に、自分たちがありがとうって言われて頑張れたんだったら、普段買い物するコンビニなどでもありがとうって声を掛けてみたり、すごく良い接客してくれたと思ったらありがとうって言ってみたらどうと伝えます。そうしたらコンビニの人も、元気が出るし、頑張れると思いますからね。
お店っていうのは、お客さんが作るものなんだと伝えたいんです。何が糧になるかというと、ものが1個売れた、2個売れたというのは半分で、もう半分はお客さんに期待されているかどうかです。
僕が生まれたころは対面販売で、これを何個ください、何gくださいって、お店の人に言わないとものが買えなかった時代です。今はセルフサービスで、入口でカゴを持って、出口で精算するまで、一言も話さなくても買い物ができる。今の中学生の時代は、人に会わずに、スマホとかの画面で1クリックするとものが買える時代です。とても便利ですが、それはもののやりとりでしかなく、そこには人の温かみも何も感じられない。過去に戻れというわけではなくて、そこに何か、ワンアクセントを入れられるようなイノベーションを中学生が考えてくれたらすごいことだと思います。
昆 僕も、ありがとう、という言葉は、大事に思っています。ありがとうは、人の関係を変えますよね。
安井 こんなふうに、自分たちの感想やお礼を書いて送ってくれます(写真参照)。ネットに動画を載せたりもしています。
昆 修学旅行生は、自分で体験することで学習するわけじゃないですか。農家に対する教育効果になりますね。

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