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【江刺の稲】
見る前に飛べる者たちが農業の未来を創る
- 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
- 第218回 2014年06月26日
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本誌が水田での子実トウモロコシ生産を呼びかけるのは、トウモロコシという供給過剰の心配のない作物に取り組むことで水田農業のイノベーションが実現できると思うからだ。また、我が国でトウモロコシ生産が始まることで日本の農業そのもののイノベーションにつながる。
やがては我が国で最大の作物になるであろうトウモロコシを、現段階でも低コストに生産できる人々とは、乾田直播というより畑作作業機を水田に導入し、無代かきでの水稲生産を行なうことを実現している人々である。転作の交付金を使えば3万5000円の下駄を履けるからだ。
17~18年前、まだ乾田直播に有効な除草剤のない時代から試行錯誤を続けてきた人々がいたからこそ、今、水田でのトウモロコシ生産を語れるようになった。長沼町の柳原孝二氏らの北海道でそれが先行したのは、府県の農家に比べ水田農家といえども畑作作業機に対する理解があったからだと思う。
やがては我が国で最大の作物になるであろうトウモロコシを、現段階でも低コストに生産できる人々とは、乾田直播というより畑作作業機を水田に導入し、無代かきでの水稲生産を行なうことを実現している人々である。転作の交付金を使えば3万5000円の下駄を履けるからだ。
17~18年前、まだ乾田直播に有効な除草剤のない時代から試行錯誤を続けてきた人々がいたからこそ、今、水田でのトウモロコシ生産を語れるようになった。長沼町の柳原孝二氏らの北海道でそれが先行したのは、府県の農家に比べ水田農家といえども畑作作業機に対する理解があったからだと思う。
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昆吉則 コンキチノリ
『農業経営者』編集長
農業技術通信社 代表取締役社長
1949年神奈川県生まれ。1984年農業全般をテーマとする編集プロダクション「農業技術通信社」を創業。1993年『農業経営者』創刊。「農業は食べる人のためにある」という理念のもと、農産物のエンドユーザー=消費者のためになる農業技術・商品・経営の情報を発信している。2006年より内閣府規制改革会議農業専門委員。
江刺の稲
「江刺の稲」とは、用排水路に手刺しされ、そのまま育った稲。全く管理されていないこの稲が、手をかけて育てた畦の内側の稲より立派な成長を見せている。「江刺の稲」の存在は、我々に何を教えるのか。土と自然の不思議から農業と経営の可能性を考えたい。
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