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アブラバチ:アブラムシに寄生するハチ。いろんなアブラムシがいるようにアブラバチもいろいろおり、それぞれ好みのアブラムシに寄生する。寄生されたアブラムシはアブラバチの幼虫が中でサナギになるとパンパンに膨れ上がり、やがて羽化して飛び出していく。アブラムシの発生量は大量なため、アブラバチのサナギであるマミー(ミイラという意味がある)は比較的簡単に捕獲しやすく、移動も簡単で利用しやすい。実際、コレマンアブラバチという種類は生物農薬として販売中だ。また、大麦とムギクビレアブラムシ・コレマンアブラバチのセットでバンカープラント法という方法で使われている。これはとても良い方法で、応用も考えられる。
ツヤコバチ:コナジラミに寄生するハチ。オンシツツヤコバチやサバクツヤコバチが生物農薬として売られている。気温が高い時期はサバクツヤコバチのほうを使う。
ヒメコバチ:イサエヤヒメコバチはハモグリバエの天敵として販売されている。
トビコバチ:テントウムシなどに寄生するものがいる。今年はナス科の大害虫であるニジュウヤホシテントウが春先に多く見られたが、このトビコバチなどのおかげで姿を消した。ただ、害虫のテントウムシだけではなく、益虫のテントウムシにも寄生してしまう。寄生された天敵のテントウムシのサナギを畑に持ち込まないよう注意が必要だ。
扱いが難しい寄生蜂、
害虫のコントロールには
益虫の組み合わせを
これらの寄生蜂は非常に小さく、人間がその活動をコントロールするのはなかなか難しい。探すのも大変だが、よく目を凝らして見ると、成虫はそれぞれ特徴のある形をしている。ハエやアブと違ってまさにハチの形をしており、触角の長さや羽の長さ、全体の形で判断がつく。また、野菜に小さなマユがあった場合はたいていコマユバチのサナギになる。サナギの状態での移動は簡単で、害虫が発生するハウスに持ち込むと羽化後に寄生が始まる。しかし、前述の益虫テントウムシへの寄生のように良い天敵への2次寄生や3次寄生もあることから、とても複雑で注意が要求される。
寄生蜂をうまく人間が使うための場所は主にビニールハウス内の閉鎖的空間だ。気をつけなければならないことは、ハウス内の害虫と益虫の発生にはタイムラグがあるため、益虫の自然発生を待っていては作物がダメになってしまうことだ。害虫の早期発見と、益虫である寄生蜂を投入するタイミングを間違えないこと、さらにその寄生蜂がきちんと働いて害虫を殺して繁殖しているかの観察が求められる。また、ハチは比較的、活動に温度が必要であるだけに、それぞれのハチが活動しやすい季節や時期を把握しておかなければならない。
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小川幸夫 オガワユキオ
大学卒業後に農業機械メーカーへ入るも、自身が思う理想の農業を目指すため、2001年に千葉県柏市の実家の農業を継ぐ。畑は1町5反、うち4反がビニールハウスで年間100品目の野菜を生産している。 20年前まで地元の市場に個選でネギを出荷していたが、ネギの価格が低迷したことを受けて自宅裏に直売所を設け、色々な野菜を作って地元の消費者に販売するようになる。現在は地元の百貨店や高級スーパーにコーナーを構えてもらっての販売のほか、大型直売所や年間200回以上の朝市での販売、また地元レストランをはじめとしたくさんの飲食店に野菜を供給している。
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