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特集

生かすも殺すも経営者次第の外国人実習生


目的である技能実習の一方で、中国人実習生は待遇面に高い関心を寄せる。農家出身者に限られるという彼女らが自国に残してきた夫や幼子を思えば当然といえるかもしれない。
「お金に対してはシビアですよ。採用面接時に金額を提示しますが、北海道で定めている最低賃金以上は出します。月々だいたい12万円にはなりますかね。雨が降ればほとんど作業しない日もあるわけですけど、それでも1日分を支払うようにしています。時には残業が必要なこともありますが、嫌がりませんね、彼女たちは。むしろ、休日も要らないと言います。春の播種から夏場の管理作業、秋の収穫と一連の農作業に当たってもらいますが、本当に仕事熱心ですよ」
また、福利厚生にも配慮しているという。
「住居は自宅敷地内に従業員住宅を4棟建てました。個室と相部屋があります。無線LANのWi-Fi環境も整え、使用料はこちらで負担していますので、いつでも無料で利用できます。保険関係も家族同様に加入しています。食事はお米と野菜を提供して自炊が基本になりますが、不定期で昼食や夕食を無料で提供しています」
前述のとおり、村瀬ファームには中国人実習生のほか、ワーキング&ホリデー、また日本各地から訪れるアルバイトで農閑期以外は常に人でごった返している。国際色豊かで、若い男性と女性が入り混じるとなれば、トラブルが起きることもありそうだが、そのあたりはどうなのか気になるところだ。
「前提として全員と分け隔てなく接するようにしていますね。2週間に一度は外食しています。カラオケに行くこともありますね。毎月1回は誕生会も開き、みんな20歳以上なのでお酒を酌み交わしながらワイワイ盛り上がります。そんなわけでトラブルはほとんどありません。中国、台湾、香港はどちらかというと仲が悪いはずなんですけど、ここに来たら仲良くやっていますね。たまにはケンカもありますが、必要に応じて私が介入してよく話し合って解決するようにしています。怒鳴らずに諭すことが大切ですかね。どの雇用形態でも契約期間終了前に帰ってしまったりということはこれまで一度もありません。ワーホリの場合はだいたい期間延長を求められます。そうなると次に控えている希望者とダブってしまうので困りますが、これはうれしい悩みですね。それと、ワーホリで出会った者同士が2組、国際結婚をしました。今もfacebookなどでつながっています。ついでにワーホリ絡みでいいますと、台湾や香港の滞在経験者が自分のブログで我々のことを伝えてくれるんですね。すると、それを通じて情報が広まり、募集をかけたらあっという間に定員が一杯になってしまうんです。なので、今は応募があっても断っているのが実情です。そんなこともあって、今年は中国人実習生の受け入れを行なっていません」

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