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吉村明のみつひかり栽培日誌

ウンカやカメムシ等の病害虫防除は、予防が第一

  • 三井化学アグロ(株) 営業本部マーケティング部ハイブリッドライス 種子グループ グループリーダー 吉村明
  • 第7回 2014年07月24日

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今年も順調に生育しています!

2014年産のみつひかりは、東北(南部)から九州まで、田植えは4~7月までと幅広い地域・作期で栽培されています。また、海抜ゼロ~800mと環境条件・気象条件もさまざまで、マニュアル通りというわけにはいきません。毎年、「1年生」の気持ちでみつひかりを見ています。 福井の事例(図1)では4月24日に田植えをしましたが、5月21日の段階で、分げつはほとんど進んでいませんでした。肥料をしっかり施しており、ガス発生による根痛みもなければ、気温が低いために生育が進んでいないのだと判断しました。その後、温度が上がると、一気に分げつが進み、6月18日の段階では30本以上の茎数が確保できました。みつひかりは生育期間がとても長い稲で、時には何もせず「我慢すること」が肝心です。 鹿児島・早期栽培では既に幼穂形成期を迎え、出穂は7月10日頃の予定です。 今年も大きな穂に出会えると思うと、今からワクワクしています。

「みつひかり物語」(7)

【産地品種銘柄の指定】

みつひかりは育成の段階から、「統計に載る品種に」と「産地品種銘柄の指定を受ける」ということを目標の一つとして掲げてきました。

日本の農産物検査には「等級検査」と「銘柄検査」があります。銘柄検査は、県ごとに検査員が玄米の特徴を見て「これは○○という品種」と鑑定します。この銘柄検査を受けないと、「○○県産みつひかり」と名前を謳って販売することはできません。検査の対象品種となるには、産地品種銘柄の指定を受ける必要があります。

「みつひかりプロジェクト」が立ち上がった2004年に、香川県が「みつひかり2003」の銘柄申請をしました。しかし、他の品種と区別することができるものの、「みつひかり2003」と「みつひかり2005」の玄米を見て、銘柄検査は難しいと判断され、銘柄指定に至りませんでした。その後、農水省と2年間にわたる打ち合わせを経て、みつひかりは2003と2005を銘柄検査では区分せず、「みつひかり(群)」として取り扱うこととなりました。
こうして06年産より、岐阜・滋賀・兵庫・岡山・香川の5県で産地品種銘柄に指定されました。以降、産地品種銘柄の指定を受ける県が増え、14年産では19県となりました(表1)。「統計に載せたい」から大きくステップアップしたみつひかり。まだまだ知名度は低いですが、これからも多くの皆様の力をお借りしながら、地道に普及していけたらと思っています。

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