記事閲覧
【弁護士・戸出健次郎の困ったときの相談と転ばぬ先の杖】
農地利用に関するトラブル解決方法
- 弁護士 戸出健次郎
- 第13回 2014年07月24日
- この記事をPDFで読む
所有者から農地を賃借して農業を営んでいる者ですが、農地所有者との間で畜舎の賃借について争っており、話し合いで解決できません。かといって、訴訟を提起して裁判をすることには抵抗感があります。何か良い手段はありませんか。
【回答】
「農業委員会による和解の仲介」と「農事調停」という2つの手段があります。
【解説】
1 農業委員会による和解の仲介
(1)
和解の仲介とは
農業委員会による和解の仲介の制度は、農地または採草牧草地の利用関係の紛争について、当事者の申立により行政機関である農業委員会が和解の仲介に入る制度であり、司法機関である裁判所の手続きとは関係がありません。この点は、後で述べる農事調停と異なる点です。その意味では、当事者の方にとっては、より抵抗感の少ない手段といえるかもしれません。
(2)仲介人の選出
当事者の申立により、農業委員会は仲介に入ることになります。具体的には、農業委員会の会長が、3名の仲介委員を指名し、この3名が仲介に入ることになります。この仲介人の指名にあたっては、当該紛争の当事者の親族である委員や当該紛争について利害関係を有する委員は指名してはならないとされています。当然、どちらか一方の当事者に有利な内容で仲介をしないようにするためです。
会員の方はここからログイン
戸出健次郎 トデケンジロウ
弁護士
平成12年 学習院大学法学部卒、平成19年 弁護士登録(第一東京弁護士会所属)、平成22年 悠綜合法律事務所パートナー、平成22年度第一東京弁護士会代議員、専門分野:農業分野(法務、税務)、不動産関連業務。
ランキング
WHAT'S NEW
- 有料会員申し込み受付終了のお知らせ
- (2024/03/05)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2023/07/26)
- 年末年始休業のお知らせ
- (2022/12/23)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2022/07/28)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2021/08/10)