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小川幸夫の虫の世界から見る農業

スズメバチも害虫の天敵

スズメバチの繁殖の時期になってきた。スズメバチは他の昆虫の繁殖を待っていたかのように、昆虫たちが多くなった今ごろから数を増やしていく。5~6月はアシナガバチと同様に女王蜂が単独で巣作りから産卵、子育てとすべてを行なう時期だ。女王1匹で巣作りや子育てをする姿を想像するととても涙ぐましいのだが、7月に入ると働き蜂が生まれて徐々にその数を増やしていき、人間が気づくころには少ない種類で50匹、多い種類だと2000匹の巨大な家族を作ることになる。
スズメバチは、肉食で他の昆虫を捕まえて食べてくれる益虫に当たる。また、蜜なども自分たちのご飯として食べるため、受粉の役割も果たす。筆者の畑にはたくさんのスズメバチが飛んでくるが、ウリ科害虫のウリハムシをオオスズメバチが空中で捕まえるのを見てからはスズメバチがとてもかわいらしく思えるようになった。成虫になるとかなり無敵になってしまう甲虫の害虫をも殺してくれる。アシナガバチとともに、食物連鎖の最上位に近い大事な益虫であり、天敵としての保護と利用ができないものかと考えている。

たくさんの種類が存在する
スズメバチ

スズメバチといっても実はたくさんの種類が存在する。世界一大きいオオスズメバチ、美しい大きな巣を作るキイロスズメバチ、他にもコガタスズメバチ、モンスズメバチ、ヒメスズメバチ、クロスズメバチ、チャイロスズメバチなどいろいろだ。
餌として狩る昆虫もそれぞれ好みがある。害虫のヨトウやバッタからさまざまな昆虫を捕食してくれる。
巣を作る場所も個々に特徴がある。オオスズメバチは大木の根元の大きな洞に、キイロスズメバチは軒下に、コガタスズメバチは椿などの庭木の中に巣を作る。
スズメバチというと全部一緒のようなイメージを持ってしまうが、実際には生態が違って自然の中での役割分担ができているのだ。

スズメバチにとって
人間は非常に怖い存在、
急襲してくることはない

スズメバチというとどうしても怖く感じてしまうが、単独で飛んでいるスズメバチが刺してくることはまずあり得ない。むしろ、スズメバチにとって人間は非常に怖い存在であり、わざわざ己の身を危険にさらすようなまねはしない。仮に単独で飛んでいる蜂が万一怒ったとしても、すぐ刺してくるようなことはなく、まずカチカチとあごを鳴らして威嚇してくる。次に、体当たりしてきたりもする。刺してくるのはあくまで最終手段なのだ。
筆者は年間数千匹のスズメバチを殺してしまうが、生まれてこのかた、まだ一度も刺されたことがない。スズメバチたちが本気で戦うときは、自分たちの家である巣とその中にいる仲間や子供たちを守るときだけだ。

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