ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

北海道長沼発ヒール・ミヤイの憎まれ口通信

「コーンってなんだ?」「トウモロコシよ」

15年ほど前、まだ朝早い時間に妻が寝ぼけて「こーん、こーん……」と言っていた。どうせ返事はできないだろうと思ったが、とりあえず「こーん、ってなんだ?」と聞いてみたら、妻は「トウモロコシよ」と答えた。
朝起きてからその事を覚えているか聞いてみたが、そんなことは記憶にないと言われた。もしかしてその5年後に会うことになる、本誌の編集長との出会いを啓示していたのであろうか。それにしても寝ぼけながら会話したことになるのだから、人間の隠された能力には驚くことが多い。

雑草対策の
飼料米のはずが……

と言う訳で、今年はコーンを播いた。最近はやりの穀物として収穫する子実コーンである。なぜ今年はコーンをやることになったのか、その過程には人間模様を投射する悲喜こもごもな出来事、そしていろいろな思惑が駆け巡ることになった。
農地の賃貸契約結んでいる11haの圃場は水はけが悪く、暗渠を施工するには最低でも400万円は必要で、アカザという雑草にも悩んでいたので、ある程度水はけが悪くても雑草は一度水攻めにして、つまり水田に戻せば根こそぎ退治できるだろうと考えていた。
当然だが、水田には水が必要である。都合がよく、圃場のすぐ隣には本線の水路があり、樋門(水門)の手直しをして、水を圃場に引っ張ることは容易だ。そこで水路を管理する地元の土地改良区(正式名称・水土里ネット)の地区担当者、若きホープの北島さんと、樋門の改修場所や工事の時期などを5月の通水時期までに話を詰めることになった。さすがに年間600万円の負担金を土地改良区に支払うことになるのだから、しっかりと対応しないならイジメテやろうかと思ったが、残念ながら真摯に対応してくれた。
いろいろな勉強会にも参加した。本誌連載「入るを計り出を制す!」を執筆している元北海道農政部・普及員で現在は長沼の隣町・栗山町で営農されている齋藤義崇さんからも直播水稲の実証例を学ぶことになった。飼料米をつくって105万円/ha、11haの売上で1155万円、300万円の利益は軽くゲットだぜ!などと捕らぬ狸の皮算用は当然の思惑だ。
とはいえ私には水田作の経験がないので、当農場の優秀な従業員、札幌から通勤している4年目の25歳の愛妻家?に任せることにした。儲かったらビジネス・クラスに乗ってワイハで金髪・ブルーアイとドンチャン騒ぎだ!とニンジンを目の前にぶら下げて煽った。本人もそこそこ乗り気だったのだが、日ごろから「コメは食べるもので、作るものではない」と大ボラをカマシテいたので、いざやることになると周りから総スカンを食らうことになった。

関連記事

powered by weblio