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今年の市場相場を読む

20年で変わった野菜のトレンド シシトウ/シュンギク/ナノハナ/ミニトマト 

通常、20年間という長い期間で見ると、野菜の生産・消費は変わる。ましてやこの間、日本経済始まって以来の長い不況があり、大きな変化があっても不思議はない。消費者の好みの変化やその傾向を受けた需要者の選択の変化は、いわゆるトレンドとして時代の流れというべきものだ。しかし多くの場合、野菜の生産は卸売市場での価格形成のいかんに影響を受ける。ここで注意しなければならないのは、品目によって市場流通とは別次元のトレンドが発生していることを生産側が認識できないことだ。加工品需要が増えていても市場流通には明確な兆候が現れないという事例はいうまでもない。

シシトウ
主産地高知が半減して全体で3割減、トウガラシタイプの成長に期待

【概況】
東京市場のシシトウの入荷を1993年対2013年で見ると、数量全体が約3割減で、単価は13%安くなっている。主産地は変わらず高知だが、シェアは57%から51%に下がり、2位の千葉はほぼ変わらない。果菜類の特徴とはいえ、夏場に山を作る入荷パターンも変化が見られない。入荷は全国34県からあり、少量ながら韓国産もある。ツマ的食材としてのシシトウ以外のものも含まれている。

【背景】
シェアはまだ5割を超えるものの、高知産の入荷量はかつて1000tを上回っていたものが460t程度まで激減しているのが大きな特徴だろう。同県産のほとんどは業務用で使われる天ぷらなどの具材だ。過去20年で見れば、その天ぷら用にピーマンが使われる割合が増え、天丼チェーンなどはシシトウからインゲンに替えている。伝統的なシシトウは明らかに衰退品目だ。代わってシシトウに分類される万願寺タイプのトウガラシが増えた。

【今後の対応】
不況下で業務用需要がシシトウ離れを起こしたことが大きな要因だが、シシトウ自体が消費者に支持されず、普及しなかったことも背景にある。代わって出てきた甘長トウガラシなどが、食味からして優れており、市場の入荷統計もトウガラシ類に名称を変えたほうがいい。トウガラシといえば、辛いものから甘いものまで、先進国は韓国だ。焼いても煮ても揚げてもおいしい。このタイプの食材はピーマンのパイを食って成長できる。

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