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第二特集

コメ先物、本上場せよ


熊野 先ほど言ったように農産物検査法が改正されて、画像解析が承認されたときに、そのデータでコメを売買できるようになれば、日本の農家経営にとってもプラスになる。繰り返しになりますけど、そういう仕組みづくりを早めに構築して、コメビジネスを活性化させないといけないんですよね。それには大規模生産者が集まって、そのことを議論したほうがいいんじゃないですかね。
佐藤 でも、それはやせ我慢というのがあるんじゃないですか。要は、自己責任で売っているから、そんなことまでしなくていいよっていう。
熊野 ただ、コメを産業化すれば農家全体の利益になると思うんですよ。
佐藤 ここまで出かかっていて言おうかどうか迷っていたんですが、実は私たちは来年度に新規事業を立ち上げるんですよ。熊野さんがおっしゃるようなことも機能させようと思っています。ただ、我々がベースになったんじゃ金融側が了承しないので、パートナーにたしかな企業をつければ大丈夫だろうと。全農との関係で詳しいことは表に出せませんが、輸出用米だけに特化したような体制づくりをしようかと思っているんです。ただ、表ではそういうやり方ですけど、中身は主食用もやります。これだけでご理解いただけるかわかりませんが……。
熊野 水面下ではそういう動きが出ているんですね。
佐藤 我々は少なからずそういうことをやろうとしています。さっきハードランディングになるといったじゃないですか。それを見据えているんですよ。そのときにどう農家と連携し、どうマーケットとつなげてあげようかということですよね。
熊野 全体を動かすには大規模な稲作経営者たちの力が必要ですよ。
昆 稲作経営者っていうけれど、大部分は経営者ではなく、作業員なんですよ。いまだに農民要求をしている。政府に向かって言っているわけなんですよ。でも、マーケットはお客さんだろって。だからこそ、リスクヘッジが要るんだろうって。自分たちの経営を守るために、そもそも先物を農家同士で語ることがタブーになっていることを含めて、熊野さんがおっしゃったことは重要だと感じますね。
熊野 農水省の先物担当者たちは、頼まれればどこにだって説明に行くっていうんですから。産地の人たちは説明を受けたほうがいいですよ。
佐藤 私も米先物取引運営委員の一人としていつも農水省で言うんですが、もっとわかりやすいプロセスの話はできないのって。先物で農家の手取りはこれくらいになるっていう試算をはっきり出したほうがいい。先物は仕組みを理解するまでが難しいですよ。

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