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特集

加工メーカーと組む正しい「六次産業化」 健康素材の開発法

サプリメントなどの健康食品の市場規模は1兆5000万円規模とも言われ、2000年代に入ってからは急激な伸びは収まっているが、安定期に入った巨大マーケットと見ることができる。2003年に健康増進法が施行されて以降、特定保健用食品の許可や表示のルールが整備され、またコンプライアンスと信用を重視する大手メーカーが多数参入していることもあり、消費者がこうした商品に向ける信頼感と期待は高まっている。一方、消費者には国産志向もある中、国内農業に熱い視線を送るメーカーも少なくない。そこで、加工メーカーと組んで新しい健康食品素材の原料を開発できれば、新規事業を開拓できる上に、メーカーとの協働のプロセスは人間だけでなく農業経営の体質も健康にできる可能性を秘めている。 (取材・まとめ 齋藤訓之、鈴木工、平井ゆか)
現在農林水産省が「六次産業化」ということを推進しているが、これは加工、販売という従来の日本の農業生産者が最も不得意とする分野に携わることを意味する。もしこれに一事業体として正面から取り組むのならば、川上から川下まで理解する上に、非常に時間とコストがかかり、リスクも大きなものになる。
しかし、加工、販売を得意とする事業者と目標を共有して一体となって取り組めば、六次産業化は比較的に容易なものとなり、より大きな成果も期待しやすい。そこで農業生産者に求められるのは、加工サイド、販売サイドの仕事を理解することだ。

例えば、化学工業、食品工業などの常識で農業生産者があまり理解していないことの一つに、副産物の完全利用を目指す姿勢というものがある。ある主力製品の製造過程で、どうしても産出されるものを加工残渣とせず、バイプロダクトとして別途商品化し、販路を見つけ、売り切るということが、彼らの収益性を確保し、主力製品の価格を抑えるのにも役立つのだ。

農業の場合、従来このような副産物の利用の仕方にはあまり目が向けられて来なかった。作物の茎葉やコメならば籾殻などの収穫残渣は、そのままか堆肥化して圃場に戻すことで窒素、有機物、微量要素源として活用できたからだ。

しかし、もしこれらがバイプロダクトとして販売できるとすれば、他産業と同様、新たな商品を持つということになる。それがごくわずかな売上げにしか結び付かないのでは意味がないが、ここで注目したいのは、現在の機能性食品、いわゆる健康食品の市場である。この分野ではさまざまな新しい素材が発見、研究、商品化され、収益を上げているものが多いが、それには従来食品として利用されていなかったものも多い。

そこで、例えば現在は主力の作物の収穫残渣としか見られていないものに機能性があるとわかれば、すでに生産態勢は整っているわけだから、新しい作物にゼロから取り組む場合に比べて遥かに少ない機械・設備投資で新規商品を持つことになる。

ただし、こうしたものを見つけるためには情報と研究が必要だが、この部分は加工、販売のプロと組めばいいのだ。第一次産業、第二次産業、第三次産業それぞれのプロ同士が集まり、全く新しい商品を開発し、生産態勢を整えるというのが、本誌が提唱する真の六次産業化ということになる。

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