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特別インタビュー企画

真っ当な経営が“駄農”を退場させる!勝部農場のゆめちから戦略に込めた狙い

勝部農場(北海道栗山町)の場内に大きなポスターが掲げられ、それがかなり刺激的な内容であるという情報が入ってきた(29ページ参照)。勝部征矢氏によれば、それは本業に知恵と力を注ぎ込む本来の農業を考えようという呼びかけであり、同氏が国産強力小麦品種「ゆめちから」に取り組む姿勢にも通じることだという。先代の勝部徳太郎氏の時代から勝部農場をリスペクトする宮井能雅氏とともに、本誌編集長の昆吉則が勝部流経営道を聞いた。(取材・まとめ/齋藤訓之)

まじめな農家は
駄農征伐に立て

昆吉則(本誌編集長) 先日、勝部さんと電話で話していたら、勝部さんの口から「駄農征伐」なんていうすごい言葉が飛び出した。勝部さんは、以前、宮井さんと私がある種の農家をきつい言葉で批判したときに「お前らネコジャラシというものを知らないの? 正面切って批判するのでは話は通らない」とおっしゃってました。その勝部さんが「駄農征伐」なんて言い出したのはただ事ではないと思って、宮井さんと一緒にお話を伺いに来ました。
勝部征矢((農)勝部農場・代表理事)私がなぜそう言い出したか、この左ページのポスターの通りですよ。
宮井能雅((有)西南農場・代表取締役)これはひどい。イヌカミツレのお花畑ですね。
勝部 奥がウチの麦畑ですが、手前の雑草だらけのところは草むらじゃなくて、これでも麦畑なんだ。ある人がここを見つけて、「勝部さん、なんで畑の縁の草を刈らないんだ?」と来たから、「いや、あれは実はウチじゃなくて隣の麦畑だから刈るわけにいかないんだ」と説明したわけだ。
宮井 十数年前、北海道のある銀行が北海道の畑のポスターを作った。富良野の麦畑の写真でしたが、半分は眼紋病で倒れて圃場はイヌカミツレだらけだった。一般の人はあれを見てきれいだと思ったかもしれませんが、恥ずかしい写真だった。あれを思い出します。
昆 農家の土地は農家のものでも、あらゆる農地には補助金、助成金といった形で国のお金が入っている。それは全部国民の税金です。宮井さんは日ごろ、「日本という国は豊かな国だからこれができる。そのことに感謝すべきだ」と言っていますね。ところが、こういう雑草だらけの圃場にも税金が使われているということが国民に知れたら、「お前ら農家、ふざけんなよ!」と言われますよ。
宮井 一般の人は、農業は自由な考えでやれる一種の自由業だと思っている。ところが現実は、農政があって、お金の流れがあって、したがってやるべきこと、やってはいけないことというのはありますよ。
勝部 こういう駄農が仮に5%ぐらいいるとすればだ、その5%の人たちのために、一生懸命頑張っている95%の農家もひっくるめて「税金のムダ遣いだ」と言われるんだよと言うんです。だから、きちんとした農家はみんな、駄農征伐のために立ち上がるべきなんです。
宮井 しかし、このポスターの写真ですが、こんなのね、MCPとハーモニー(いずれも除草剤)をせいぜい10g入れていれば解決したはず、ざっと10a当たり2000円の話ですよ。そして、この時期にこういう農薬を使いなさいということは、過去10年も20年も普及センターなり農協なりが言っているんです。ところが、こういう圃場にしてしまうタイプの人は、その2000円でも出し渋るんです。
勝部 今回はね、農協のある職員も、あれは絶対バツにすべきだと言った。ところが、みんなで「まあ、まあ、まあ、そんなこと言わないで」「これも共済で引き受けている農地なんだから」と押さえ込んでしまった。共済でOKなら交付金も出るというように、本来、別の判断であるべきものも一緒にされてしまっている。
昆 こんな状態でも共済の対象になるものですか。

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