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今年の市場相場を読む

“添え物”野菜の不況ダメージ サラダ菜/パセリ/エシャレット/食用菊

ツマ物的野菜は、料理に彩りを添えるものだけに、経済面や精神面での余裕がその食文化を育てる。半面、貧すれば貪するといわれるように、経済的な苦しさは精神面でのゆとりを失わせる。そんなときこそ食文化の勝負どころであり、残るものと消えるものの差は、文化としてどれだけ定着していたか否かになる。20年にわたる不況下にあって、たしかに日本人の精神的な余裕は失われぎみだったのだが、添え物的な野菜類の入荷は減ったものの、需要がなくなったのではなく、他の食材に代替されたケースも多い。とすると、また景気が回復すれば、本来の食材のリバイバルということは十分にありうることだ。

サラダ菜
入荷減・単価安も意外に堅い支持、家庭でのメニュー再現に可能性が

【概況】
東京市場でのサラダ菜の入荷を1993年対2013年で見ると、入荷量全体では22%の減で、単価も24%安くなった。春から初夏にかけてやや多いが、周年にわたってコンスタントに入荷する業務用対応型の特徴は変わらない。主産地の千葉は不動で常に5割前後のシェアを持っているが、続く福岡、静岡のシェアが上下している。この3県が周年供給型促成栽培の産地として全体の9割以上を占める。
【背景】
主に洋食系の添え物野菜に特化し、長くその地位を保ってきたサラダ菜も、不況下では容易に用途の広いレタスなどに代わってしまう。2割以上も減って単価も下がったのは、高かったら無理して仕入れないという需要構造の変化がもたらした。それにしても、この20年の推移で半減してしまうことさえある中小野菜類にあって、2割程度の減少で収まったということは、定番メニューのスタイルを変えなかった外食店が意外に多かったということか。
【今後の対応】
サラダ菜はあくまでも添え物であり、食味の良し悪しは問題にされない。しかし、サラダやサンドイッチなどでその付け合わせスタイルが定番化しているということは、それを家庭で再現させることも容易だ。かつてより2割以上も安くなったサラダ菜を、品ぞろえの一環として置き続ける小売店も多い。安くなった際、ちょっと買ってみて料理に彩りを添えてみようかという主婦だって増えているはずだ。景気回復によって生まれたゆとりが狙い目かも。

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