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海外レポート

最先端の施設園芸が導く生産・流通イノベーション、オランダの「スマートアグリ」を検証する


オランダの代表的な中堅スーパーであるアルバートハインに行ったところ、青果物の品ぞろえは充実しているといえるものの、鮮度などの品質は褒められたものではなかった。その後、最近話題になっているといわれるアムステルダム郊外の地場スーパー「ランドマーケット」を見たが、細かい品ぞろえと鮮度は明らかに違う。このスーパーに納入している農家の写真が売場を飾っており、たしかに日本の直売所並みの鮮度や地場品を使ったレストランなどが売りで、多くの客を集めていた。
オランダに入る前に、北ドイツのストラーレン市のランドガード農業法人市場と生産農家を視察したが、ここでは、オランダの国際競争力には太刀打ちできないとして我々はドイツ国内や地場消費を対象にしていくという意向を聞いた。実際、近隣で3代続く大型野菜農家では、倉庫を直売所にしており、常連客がたくさん訪れていた。
オランダでも、トマトやパプリカの大型生産者が大型のシステマチックな農業を展開する一方で、さまざまな細かい品目を生産する中小の生産農家は落ちこぼれがちだ。そうした生産者の受け皿づくりも始まっている。かつて国内の産地型卸売市場を統合して圧倒的な流通シェアを持っていた協同組合組織グリナリーは、いまや大型生産者がいくつかの共同組織を作って脱退したため、1割程度のシェアにまで縮小しているが、中小生産者のなかから意欲的な生産者を支援し、国内流通に必要な品目の育成と生産拡大を推進しようとしている。

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