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シリーズ水田農業イノベーション

府県での子実トウモロコシの収穫実演と検討会 続・水田農業イノベーション研修会 ~新たな戦略 子実トウモロコシの実用化~(主催:岩手県中央農業改良センター)

府県での子実トウモロコシ生産は今年で2年目。今年5月25日に播種したトウモコシが収穫期を迎えた(有)盛川農場に、関心を寄せる人々が全国から集まった。昨年秋には秋田県大潟村での海外製大型コンバインによる収穫実演が、今年春には岩手県花巻市での播種時期の検討会がそれぞれ開催された。その流れを受けて、岩手県中央農業改良センターが主催した実演・検討会の模様をレポートする。 (取材・まとめ 平井ゆか)
全国的に冷え込んだこの日、幸いにも秋晴れに恵まれた岩手県花巻市の(有)盛川農場の子実トウモロコシの作付圃場は大勢の人でにぎわった。参集したのは耕種農業者をはじめ、畜産農業、飼料メーカー、機械メーカー、行政機関および研究機関の関係者など計130名以上に及んだ。
実演会では、岩手県中央農業改良センターの工藤学氏の挨拶に続き、試作開発中の国産汎用コンバインと、同農場が所有するニューホランドの大型コンバインによるトウモロコシの収穫作業が行なわれた。日本の農場条件に合った小型の汎用コンバインで収穫できるようになることは、5月に開催された研修会でも機械メーカーへの要望の一つとして挙げられていた。今回の実演会では(株)ヤンマーがその要望に応えて、現在の進捗状況を披露した形だ。
その後、場所を移して、検討会は同市内のホテルで開催された。検討会では花巻市の穀物生産の概要説明、子実トウモロコシ生産の基調報告に続き、トウモロコシ生産者と畜産農業者らが登壇し、パネルディスカッションが行なわれた。会場の参加者も質問や意見を投げかけ、会場は、子実トウモロコシを通じた水田イノベーション、ひいては、日本農業の新たな展開への期待感に包まれた。

実演会

盛川農場のトウモロコシは、茎葉が枯れかかったように茶色に色づいていた。品種によって異なるが、熟期が進み、子実が完熟状態になっている一つの目安だという。同農場の今年の作付面積は約2.3ha。近隣の仲間にも呼びかけ、花巻市内では昨年の0.7haから5.0ha規模に拡大した。
今回の実演会の主旨は、収穫期の子実トウモロコシとその収穫作業を見てもらうことと、海外製のコンバインだけでなく、国産の汎用コンバインでも収穫できることへの理解を広めることである。
実演会は、パイオニア ハイブレット ジャパン(株)畜産事業本部 東日本営業所 所長 白戸洋一氏の解説と、ヤンマー、ニューホランドの実演により進行された。

【国産汎用コンバインによる収穫】

はじめに、(株)ヤンマーのAG1100の試作機による収穫実演が行なわれた。ベースは水稲、麦類、豆類、ソバ等の収穫に用いる110馬力の汎用コンバインで、足回りはクローラーを履き、刈幅は2.6m。同機は、子実トウモロコシの収穫に対応するべく、今年から北海道長沼町の(有)柳原農場の協力を得て、試作段階のテストを始めたものだ。

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