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今月の数字

168兆円/金融機関の余剰資金として日本銀行に預けられている日銀当座資金(10月末)

10月31日、日本銀行が政策委員会・金融政策決定会合で金融緩和措置を発表した。その結果、大幅な円安が進んで5日間で6円超の上昇となり、11月6日には7年ぶりに115円半ばの水準となった。
そもそも金融緩和はなぜ実施されたのか。無理やり消費税を上げたいからという理由ではなく、もう少し込み入った事情がある。昨年4月に目標を掲げた「2015年度中の消費者物価上昇率2%」の実現が難しくなってきたため、日本銀行が刷る通貨の量(マネタリーベース)を増やすことでデフレ脱却のきっかけをつかもうとしているのだ。
デフレが続く日本では、消費が落ち込んで「名目金利」がゼロに近いため、景気を刺激するために金利を下げるという方法を取ることができない。そこで、お金の量を増やすことで景気を刺激しようとしたのが昨年4月に行なった第1弾の「量的・質的金融緩和」だった。今回は第2弾として、(1)マネタリーベースの増加ペースを現在から10兆~20兆円増やして年間約80兆円とする、(2)そのため、長期国債の買い入れを約“30兆円”増やして年間約80兆円とする、(3)さらに、ETFとJ-REIT(不動産投資信託)についても、買い入れペースを“3倍”に上げ、それぞれ年間約3兆円、約900億円買い入れる、という内容だ。
こうして2013年末に202兆円だったマネタリーベースに対し、14年10月末時点では260兆円となった。こんなにお金をじゃぶじゃぶ刷っていいのか不安に思うが、中国も韓国もアメリカもEUも08年のリーマンショック以降、どんどんマネタリーベースを増やしており、00年1月を100とした場合の11年の割合は中国で600超、アメリカで400超、他国も軒並み250超なのに、日本だけが150前後で推移しており、この圧倒的なマネタリーベースの差が円高を作り出してきた。実際、日米の通貨の供給量の割合(マネタリーベース比率)と為替レートは、これまでピタリと符合するのだ。

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