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岡本信一の科学する農業

排水性改善:圃場に水たまりができるのは当たり前?


最後に、米国の事例を紹介する。一見、水たまりの心配をしなくてよいと思われる米国のカリフォルニア州の畑地でも、レーザーレベラーなどを駆使して圃場を平坦にし、水たまりができないようにしている。彼らの灌水作業はスプリンクラーによる散水で行なう。圃場内に高低差があると水たまりができるため、あらかじめ平坦にしておくのである。
現地を訪れた際に、レーザーレベラーを使用する理由を聞くと、「水たまりができないようにするため」と明確に答えてくれたほどだ。
大規模でラフな作業体系だと捉えがちな米国の野菜栽培でも、僅かな出来の違いを防ぐために土壌を平坦にしようとして工夫しているのだ。雨の多い日本で水たまりができることが当たり前であると考えていては、当然、解決できない。
もちろん、どの圃場でも今すぐにレーザーレベラーを導入して、圃場を平坦にしたり、傾斜をつけて中央から周辺に排水しやすくする作業をしたほうが良いということではない。レーザーレベラーによる均平はあくまでも工夫の一事例である。
通常の排水性改善策をしていても、大きな水たまりが圃場内にあれば、その効果は十分に発揮されない。水たまりというよりも、雨が降ったら仕方がないという考え方から脱することが一番大事だと思う。日々の作業の細かい部分ではあるが、水たまりができてしまう原因をとり除けるのだから。

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