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【北海道長沼発ヒール・ミヤイの憎まれ口通信】
行政はコーンに関与するな……って言ったけど
- 西南農場 代表取締役 宮井能雅
- 第79回 2014年11月28日
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本年5月22日に花巻でイアコーン(実取りコーン)の勉強会が行なわれた。たぶんイカツイ顔をして日本国標準語の発展型である、「そーずん語」の美しき響きを期待しつつ、農家のことはよく知っているが農業のことは……の普及所、試験場関係者に混じり、将来のビジネスチャンス、早い話、今後の市場の独占を目指すために無指向性国産アンテナをバリバリ立てているバイオ関連の会社、種子会社、農機具メーカーの集まり中に心躍る生産者が多くいた。
今年は11 haにパイオニアの93日タイプ・コーンの播種を終わらせ、片道が2万3000円と東京に行くよりも高い航空運賃を節約するために、ネットで半額になるJALの株主割引券を購入してもまだ3000円節約しての参加だった。
150名以上が参加した会場では予定通りLとRの違いがはっきり分かる巻き舌に、格調高い鼻濁音の親父連中が我がもの顔でコーンの未来を語ってはいたが、目の奥に輝く黒い瞳からは真剣さがうかがえた。
マイクが私に渡され、「北海道から来た金髪・ブルーアイ大好きのミヤイです」と正直にカマシテしまった。そこで話した内容は2つ。まず、コーン自体は古い作物ではあるが、日本でのイアコーン栽培はこの5年程度の物語しかないので、生産者にとってはまさしく手探り状態であるので中途半端な行政の影響力は排除したいということ。もう一つはコーンが素晴らしいのであれば必ず遺伝子組み換え(GM)はどうなんだと言う議論に発展してほしい点だ。
では、本年の経緯を含めてもう少し詳しく説明していく。国内においてイアコーン栽培は最近の話であっても、類似する作物でサイレージ用デントコーンの栽培は半世紀の歴史があるので、肥料、播種時期、病害虫の予測などは先人の知恵を借りながら的確に応用できた。そして協力していただいた多くの人たちに心より感謝したい。
種子は、行政に相談しなくても種子会社に任せれば良い。パイオニア・ハイブリッドジャパン北海道担当の小森鏡紀夫さんからは種子のバリエーションや過去の種子情報は生産者に絶対的な安心感を与えていただいた。ありがたいことに今年は数年に一度の新品種を栽培できる機会を得たことと、除草剤はアルファードとゲザプリムを混用することにより、アカザが30cm位になっても対応できた。
面白い話がある。この効果抜群のアルファード除草剤の使用は、登録上3~5葉期になっているが、小分け販売先の日本曹達に電話で、もっと遅い時期の使用は問題あるのか聞いてみた。
担当者は「5葉期までにした理由は、間違ってコーンをトラクターで踏みつけても茎が元に戻る限界だからです。本州ではよくこの手のトラブルがあり、米国のように専用機械(自走スプレーヤー)が普及していたら畦間のみを走るので、7葉期でもまったく問題なく散布していますが国内登録は別です」と回答した。これは日本の誰のための農薬登録なのか、規模拡大に歴史的影響力を持つ小作人根性をビジュアル化している。
150名以上が参加した会場では予定通りLとRの違いがはっきり分かる巻き舌に、格調高い鼻濁音の親父連中が我がもの顔でコーンの未来を語ってはいたが、目の奥に輝く黒い瞳からは真剣さがうかがえた。
マイクが私に渡され、「北海道から来た金髪・ブルーアイ大好きのミヤイです」と正直にカマシテしまった。そこで話した内容は2つ。まず、コーン自体は古い作物ではあるが、日本でのイアコーン栽培はこの5年程度の物語しかないので、生産者にとってはまさしく手探り状態であるので中途半端な行政の影響力は排除したいということ。もう一つはコーンが素晴らしいのであれば必ず遺伝子組み換え(GM)はどうなんだと言う議論に発展してほしい点だ。
では、本年の経緯を含めてもう少し詳しく説明していく。国内においてイアコーン栽培は最近の話であっても、類似する作物でサイレージ用デントコーンの栽培は半世紀の歴史があるので、肥料、播種時期、病害虫の予測などは先人の知恵を借りながら的確に応用できた。そして協力していただいた多くの人たちに心より感謝したい。
種子は、行政に相談しなくても種子会社に任せれば良い。パイオニア・ハイブリッドジャパン北海道担当の小森鏡紀夫さんからは種子のバリエーションや過去の種子情報は生産者に絶対的な安心感を与えていただいた。ありがたいことに今年は数年に一度の新品種を栽培できる機会を得たことと、除草剤はアルファードとゲザプリムを混用することにより、アカザが30cm位になっても対応できた。
面白い話がある。この効果抜群のアルファード除草剤の使用は、登録上3~5葉期になっているが、小分け販売先の日本曹達に電話で、もっと遅い時期の使用は問題あるのか聞いてみた。
担当者は「5葉期までにした理由は、間違ってコーンをトラクターで踏みつけても茎が元に戻る限界だからです。本州ではよくこの手のトラブルがあり、米国のように専用機械(自走スプレーヤー)が普及していたら畦間のみを走るので、7葉期でもまったく問題なく散布していますが国内登録は別です」と回答した。これは日本の誰のための農薬登録なのか、規模拡大に歴史的影響力を持つ小作人根性をビジュアル化している。
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宮井能雅 ミヤイヨシマサ
西南農場
代表取締役
1958年3月、北海道長沼町生まれ。現在、同地で水田110haに麦50ha、大豆60haを作付けする。大学を1カ月で中退後、農業を継ぐ。子供時代から米国の農業に憧れ、後年、オーストラリアや米国での農業体験を通して、その思いをさらに強めていく。機械施設のほとんどは、米国のジョンディア代理店から直接購入。また、遺伝子組み換え大豆の栽培を自ら明かしたことで、反対派の批判の対象になっている。年商約1億円。
北海道長沼発ヒール宮井の憎まれ口通信
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