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シリーズ水田農業イノベーション

水田農業イノベーション研究会2014 第2回:水田での子実トウモロコシ生産に関する検討会in成田 ~狭小圃場での収穫作業体系と課題の検討~


昆 盛川さんは4条の真空播種機で、小泉さんは2畦のスターの播種機ですよね。圃場条件によって、既に機械としては揃っていることをご認識いただければと思います。さて、柳原さん、品種について、もう少し経過を教えていただけますか。
柳原 はい。収量は当初、800kgが限界だと言われていましたが、今年は1tぐらいになる見込みです。品種が格段に良くなったこともありますが、適期に播種して適期に収穫しないと収量も品質も良くなりません。そのことがこの4年の間に分かってきました。5月上旬に播種をすれば、一番良いトウモロコシが収穫できると思います。

実需者側からみた課題
収穫後の品質管理について

昆 ユーザー側から見た課題について話題提供をお願いできますか。
奥野克哉氏((株)オクノ・代表取締役)柳原さんと生産・需要の形でやってきたなかでトラブルも経験してきました。課題の一つは、粗選が不十分でゴミが混入してしまったことです。粗選がうまくいかず、トウモロコシの茎や根、俵の残骸などが入っていると、破砕して配合はできますが、鶏に給与する際のトラブル、スクリューコンベアにワラが詰まるなどの機械トラブルが発生しました。
もう一つは、水分の管理です。トウモロコシは非常に発酵しやすいもので、水分が16~17%の状態で破砕すると、すぐに発酵してカビだらけになりました。誤って鶏に給与すると鶏はお腹を壊してしまいます。そのダメージも大きく、500kgのフレコンに詰めて運ぶため、500kg単位で廃棄することになります。
畜産農家側がより高品質なものを求めるのは当然のことで、これまでは飼料メーカーさんの徹底した管理・組成の下で作られた飼料を使ってきたので、比較対象はそこにあります。くれぐれも、鶏の餌だから、こんなもんでいいだろうという意識だけは持たないでいただきたい。
昆 国産トウモロコシを使おうと思うと困難が伴いますね。
奥野 今年、全量を国産に切り替えた上で、初めてこの問題として実需者として提言できる段階に入りました。これからトウモロコシの生産者に伝えたいのは、実需者と直接取引する場合は、輸入トウモロコシ原料に負けない品質のものを供給するという意識を持っている方とマッチングできることを望んでいることです。
その体制ができれば、実需者として消費者にも訴えかけていける。今年は新たなステージでもあり、勝負の年になると思っています。柳原さんとは、儲かろうが、儲かるまいが、世に普及するために取り組み、ノウハウを積んでいるところです。

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