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15年以上取引をしていたある会社が断りもなく日本に代理店を作り、私には直接販売しないことになった。怒ってみたところで解決する問題でもなく、ネットでより頑丈な物を作るメーカーを見つけたので、現物を確認することにしたのだ。
ショーの後、ケンタッキーを離れて取引先のノースダコダ・ファーゴに向かった。デルタの乗り継ぎはデトロイトだった。ランチはどこにしようかとあたりを見渡すと何やら日本語を意味する文字が見つかった。
海外ではあえて日本食は食べない。だって日本で食べるのが一番なのだから。その時はちょっと様子が違っていて、壁のネオンには「SORA」と書かれていた。ん? 空のことか? と下の方を見ると、日本食、すしバーとある。
この瞬間、コラムの新鮮なネタの提供をありがとうと思った。そうなると足は店の方に右向け右だ。こちらから気さくな演出をカモシ出すため「こんちは~」と店に入ると、入口にいた30歳くらいのアジア系のホストから間髪入れずに「いらっしゃいませ」と、よどみのない日本語が帰ってきた。なんだ? マジホンの日本人か。がっかりして、スシカウターに座った。
さて何を頼もうか、と悩んだが、とりあえずサケ、マグロ、ツブを頼んだ。値段を見ると3・5ドルと記載されてあった。たぶん一貫(2個)なのだろうと勝手に想像したのが間違いだった。今どき不味い寿司なんて日本国内には存在しないだろう。だが、このデトロイト・メトロポリタン空港には普通に存在するのだ。サケはパサパサでマグロは血合いがドロドロ、ツブは3歳男児の皮被りの先端状態であった。
本来であれば、板さんと異国で働く苦労話で盛り上がりたかったのだが、こちらから「何かおススメありますか?」と聞いても、彼は決してこちらを向かないでウエートレスと英語で子供の話をしていた。もちろん日本なまりの英語ではなかった。
スシが来る前におすすめの5ドルの海草サラダを頼んだが、箸を一口つけてやめた。だって海草っぽい緑色のゼラチンにドレッシングはラー油がバケツで入っているような味付けだ。最低限のチップを置いてさっさと席を立った。
ファーゴに到着する前にもう1カ所乗り継ぎをした。ミネアポリス飛行場だ。マトモな日本食を食べてやるぞ!という変なリベンジ・スピリットに燃えた。この飛行場には20回以上来たことがあり、確か日本食レストランがあったと記憶していたが、場所が定かではなかった。そこで案内のところに行き「確か日本食のレストランがあったはずだが?」と聞くと満面の笑顔で最近新しい日本食レストランができたという。
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宮井能雅 ミヤイヨシマサ
西南農場
代表取締役
1958年3月、北海道長沼町生まれ。現在、同地で水田110haに麦50ha、大豆60haを作付けする。大学を1カ月で中退後、農業を継ぐ。子供時代から米国の農業に憧れ、後年、オーストラリアや米国での農業体験を通して、その思いをさらに強めていく。機械施設のほとんどは、米国のジョンディア代理店から直接購入。また、遺伝子組み換え大豆の栽培を自ら明かしたことで、反対派の批判の対象になっている。年商約1億円。
北海道長沼発ヒール宮井の憎まれ口通信
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