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江刺の稲

農業規制改革に読者の声を伝えよう

  • 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
  • 第126回 2006年08月01日

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内閣府の規制改革・民間開放推進会議の農業ワーキンググループから協力を要請された。現実の農業経営あるいは商売の現場に発した声を反映させたいという事務局の意向であろう。規制改革に現場の声を反映させる機会が与えられるのは有り難いことだ。
 しかし、僕の基本的な考え方は、規制改革を語るより農業経営者自身が市場社会あるいは目の前にいる顧客の要求に答えることで変革は進むのだと考えている。官の指導ではなくマーケットの力こそが欠乏の時代の論理に支配された農業を変える力になると思うからだ。 

 宅配便のビジネスの成功は、郵政や運輸の規制がなくなったから実現したわけではない。ヤマト運輸などが事業の可能性を信じて、法律や制度の規制に抗し、また競争の中で市場が求めるサービス開発に取り組んだからだ。彼らは自らに与えられている規制とセットになった既得利権を捨てることで、それを実現したことも忘れるべきではない。

 今の日本であればこそ、農業に対編集長「江刺の稲」とは、用排水路に手刺しされ、そのまま育った稲。全く管理されていないこの稲が、手をかけて育てた畦の内側の稲より立派な成長を見せている。「江刺の稲」の存在は、我々に何を教えるのか。土と自然の不思議から農業と経営の可能性を考えたい。して多様なニーズがあり、農業経営のチャンスもまた多様に存在する。それを先取りし、規模や売上の大小に関わらず、事業経営として農業を成功させて見せること。それが肝心なのだ。

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