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読み切り

農家・JAにとって市場制度の変革は何を意味するか

卸売市場制度が変わる。どのような部分が変わり、その変革が、農家・JAにとってどんな意味があるのか、は注意深く見ておく必要がある。昨年4月より、農水省の第六次卸売市場整備計画(十年計画)がスタートしたが、第六次の基本方針のポイントは五点。(1)卸売市場の整備は全国を一巡し、これからは東京、大阪等の中核市場の再整備や、花市場の整備などが中心となるという点。(2)取引の多様化に対応してルールを見直すという点。(3)卸売市場関係業者の大型化や体質強化を行っていくという点。(4)輸入品に関しても市場受入れ機能を強化するという点。(5)市場の情報化を進展させるという点。これらの点に基づいて、卸売市場を活性化させるのだという。
 卸売市場の制度は、農家にとってその仕組みが分かりにくい。分かるのは、卸売市場に出荷すると、値段をつけてくれて(売ってくれて)、代金を確実に決済してくれるが、そのかわり結構高い手数料を取られることである。分からないことは、時々高騰してびっくりするような価格になることもあれば、出荷したら赤字になるような安値が続くこともあること。そうした市場制度がどうやら法律に基づいて運営されている、らしい…。この程度の認識であろう。

 農水省と都道府県などの卸売市場行政は、5年ごとに見直される「卸売市場整備基本方針」ならびに「同基本計画」(ともに十年計画)に基づいて実施されている。従ってこの「基本方針」は、これから十年間の市場行政の“教科書”になるものである。

 だから、この基本方針だけを見ても、具体的にどんな施策が行われるのか、もっといえば、いつから、どんな改革が行われるのかは分からない。しかし、逆に言えば、この基本方針の精神、方向性に基づいたものであれば卸売市場に最も関係が深い、農家、JAでも市場行政に対して、その改善や新たな提案ができる、ということでもある。

 事実、この方針は、これから策定される都道府県レベルの市場整備計画や、中央市場などを開設している都市の市場行政に反映され、その際には、生産者代表者が審議に加わることになる(実際、ほとんどの都道府県で現在審議中)。

 同基本方針のポイントと、それに関連して見直しとなる制度に関する解説をしておこう。

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