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女化通信

ニンジンの収穫作業

  • 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
  • 第8回 1997年02月01日
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昭和5年生まれの高松求氏は、茨城県牛久市女化町という畑地帯に住む複合経営農家である。ご自分ではすでに”引退した“経営者だという同氏だがその経営体験から生まれるさまざまなアイデアや経営への考え方は聞く者の規模や作目を問わず、示唆に富む。
 女化通信第5回で、夏播きニンジンの播種作業について紹介したが、今回はその収穫作業について報告したい。

 1月25日午後、播種作業以来、高松さんのニンジン作りに参加してきたスガノの人々を含め、堀取機のメーカー、広洋エンジニアリングの野村社長たちも作業指導のために高松農場に集まった。

 ニンジンは長辺約200mの畑に20a播種してある。播種に関しては18号で紹介した通り、鎮圧ローラー付きの縦軸ハローで処理したこともあって、夏の乾燥の中でも極めて高い発芽率であった。播種機は多木農工具(現アグリテクノ矢崎)のクリーンシーダを使い、条間15cmで1畦4条、畦間を45cmにとってある。

 圃場のうち手前の部分、長さ約30m(幅約10m)は、高松さんが以前から管理していた畑で地力も付いている所であるが、隣家の屋敷林の日陰になる。そのためか、ニンジンの出来や揃いについては、新開地の部分の方が安定している。施肥については控え目であるはずなのに、その部分ではやや窒素過剰であるかのような生育を示し、茎葉が大きくなりニンジンの出来もやや不揃いであった。元々地力があるのに加えて、播種時に必要以上の鎮圧をしてしまったのかもしれない。さらに日陰であることで土壌の水分状態が高く、それらの相乗効果で肥料の効きが良すぎるということもあったかもしれない。考えてみればこれまでも、この日陰の部分は麦や大豆を作った場合でも倒伏したりすることの多い場所でもあった。

 しかし、そこの場所のニンジンの樹液を分析してみると、糖度が11度と高く、硝酸態窒素が60ppm前後と非常に低い数値を示し、必ずしも過剰肥料の中で栽培されたものとは思えない。むしろ成分品質的には優れたものというべきではないかと思えた。ニンジンの収量は少なく見積もっても10a当たり5t以上あるのは確実だと思う。

 今回使った堀取機は、高松氏がグラジオラスの収穫に使うために購入したもので広洋エンジニアリングの震動式堀取機MMO600HG(ゲージ輪付き・標準小売価格36万5000円)。そして写真1は11月に行なったグラジオラスの堀取り作業の状態である。それをニンジン収穫に使ってみた。

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