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リレー訪問 農場に勤める誇りと夢

ITシステムで生産をサポート・・・・・・の巻

山中 その場合は、大手の種苗業者さんを中心に余剰苗があることを伝えて、欲しいという農家さんが現れれば、在庫をその注文に引当して出荷するという感じです。ただ、買い手がいなければ、最終的には、そういった苗を再び土に帰して十分寝かせた上で、新たな培土として再利用しています。

谷本 うちの農場では、売り上げにしても数量にしても契約栽培で販売している分が5~6割くらいになるんですが、残りは市場に流しているです。そこは相場の変動が大きいわけです。だからといって契約栽培を7~8割にしたらどうかというと、生産量にも並がありますから、ショートするケースもでてきかねない。反対に、余るようなときは、当然単価も安いですから。その辺のロスは出したくない。だから5~6割が適当だという読みをしています。

山中 うちでは、さらに生産能力というのを考慮するんですよ。たとえば余剰が出た場合、もちろん売れればいいんですけど、それは売りにくい品種だった。そしたら、それを置いておくことでスペースを損するよりも、次の注文を入れてそちらに対応できるようした方がいい場合もあります。土地が無限にあれば、こういったことを考えなくてもいいんですけど、そうもいかないですから。特に繁忙期は、人が問題なんですよね。苗の管理をしようと思えば水もやらないといけないですし、小口の対応ができなくなってくるんです。また、春夏は業界的に需要が大きい時期なので、置いておけば売れるかもしれない品種は置いておきます。その辺は出荷や現場の担当者がわかっているので、売れ具合を見込んで在庫の調整をします。

谷本 なるほど。

山中 それと、受注生産なので品質第一でやっていますが、お客さんに納品した苗に使えない苗があったという話がくることもあるんです。そのときのためにストックしておく分もあります。こういったことについても担当者ベースというか、その場その場で管理してますね。製造業の在庫管理に近い感じですね。

谷本 ある程度数字が読めて苗を作れているのは、おそらく数字を読む精度が僕らのレベルよりはるかに高いからなんでしょうね。播種量まで読めているのは大きな違いです。参考になりました。僕は個人的に、生産量の安定を目指しているんですよ。欲しいと言われた量を確保できないことには話しにならないので。でも余剰分がさばけない。結局市場に頼ってしまう。数字を読む精度を上げて偶然をどれだけなくすかということにも、解決の糸口がある気がしました。(つづく)

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