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エクセレント農協探訪記

山口県・周南農協

「うちはね、毎日1、000万円もカネがいるんだよ。土曜も日曜も盆も正月も関係なしにね。1秒でいくらになるのか。115円になるんだ。2秒でこのタバコ一箱のカネが消えてなくなるんだよと、職員に言い聞かせているんだ。裏を返せば、その分だけ毎日儲けないと、農協の経営は成り立たないということでもあるんだ」
 「うちはね、毎日1、000万円もカネがいるんだよ。土曜も日曜も盆も正月も関係なしにね。1秒でいくらになるのか。115円になるんだ。2秒でこのタバコ一箱のカネが消えてなくなるんだよと、職員に言い聞かせているんだ。裏を返せば、その分だけ毎日儲けないと、農協の経営は成り立たないということでもあるんだ」


信用事業で立て直し


 タバコを手に、職員にこうハッパをかけるのは、95年に徳山地区4市2町の11農協が合併して誕生した山口県周南農協の徳本豊組合長である。全国二千農協の中でここまでコスト意識が旺盛な組合長は珍しい。都市で銀行などと凌ぎを削る農協かといえばそうでもない。瀬戸内海沿岸の周南工業地帯を中心に都市型、中間型、農村型の地域が混在する貯金高1、200億円の信用事業中心型の農協である。徳本豊組合長は、旧熊毛町農協で組合長を二十数年以上も務めたバリバリの農協マンである。

 善いことは善い。悪いことは悪い。善悪がハッキリしているのが徳本組合長の真骨頂だ。系統内部でも言いにくいことをズバリ指摘してきた。一言居士である。例えば住専問題の時もそうだった。

 「あれだけ国民にも迷惑をかけたんだろ。農協のトップは、悪いことは悪いでスッキリ責任を取るべきだったよ。あんな融資をさせたのは、俺の責任だったとね。トップがケジメをつけておけば農協には迷惑はかからなかった」

 徳本組合長が、住専処理に不満なのは、住専向け損失処理で信連の経営が一挙に悪化したことである。信連の損失分担で農協への配当が減った。住専問題が起きる前の山口県信連の農協への配当は年4%だった。それが住専処理にケリがついた後の決算では3%しかない。それに金融機関の不良債権処理を進めるため、信連は単協の預け入れ金利をガクンと下げてしまった。それが最近では信連に預け入れても逆ザヤになってしまうというのだ。

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