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【江刺の稲】
幕間のピエロで終わらないために
- 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
- 第25回 1997年10月01日
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各地で米の取り込み詐欺が横行している。読者にもその被害者が少なからずいる。業者との取引で代金が回収不能に陥ったり夜逃げされたという話も聞いた。
在庫処理に困り、市況不透明感に焦った人が詐欺師に狙い撃ちされたのだ。欲にかられての詐欺被害とは違うだけに、お気の毒としか言いようがない。そして、それを悔やんでの自殺者も出ている。
でも、今、気鬱の底に落込んでいる方に言っておく。どんな成功者だって一度や二度はそんな失敗をしている。そしていつでもどこにでも落とし穴は隠れているのだ。むしろこんな経験を乗り越えてこそ経営者は強くなるのだ。苦労の中で貴方が立ち上がれば、それを子供や家族や仲間たちが見ている。それが次の発展へのバネになるのだ。支払いに困ったとしても誰も貴方の命までよこせとは言わない。何よりも経営者自身が自らの気分を萎えさせてしまうことのないように。
こんな時だからこそ自らの夢をもう一度想い描いてみようではないか。まだ夢を描くことができるのであれば年齢なんて関係ない。それができないのであればキッパリと撤退するのだ。ウジウジしても何も出てこない。そもそも今のチャレンジは自らの退路を絶って始まったものではないのか。ここは一つ腹をくくって、改めてゼロからでも笑って再出発するくらいの気持ちになろうじゃないか。
在庫処理に困り、市況不透明感に焦った人が詐欺師に狙い撃ちされたのだ。欲にかられての詐欺被害とは違うだけに、お気の毒としか言いようがない。そして、それを悔やんでの自殺者も出ている。
でも、今、気鬱の底に落込んでいる方に言っておく。どんな成功者だって一度や二度はそんな失敗をしている。そしていつでもどこにでも落とし穴は隠れているのだ。むしろこんな経験を乗り越えてこそ経営者は強くなるのだ。苦労の中で貴方が立ち上がれば、それを子供や家族や仲間たちが見ている。それが次の発展へのバネになるのだ。支払いに困ったとしても誰も貴方の命までよこせとは言わない。何よりも経営者自身が自らの気分を萎えさせてしまうことのないように。
こんな時だからこそ自らの夢をもう一度想い描いてみようではないか。まだ夢を描くことができるのであれば年齢なんて関係ない。それができないのであればキッパリと撤退するのだ。ウジウジしても何も出てこない。そもそも今のチャレンジは自らの退路を絶って始まったものではないのか。ここは一つ腹をくくって、改めてゼロからでも笑って再出発するくらいの気持ちになろうじゃないか。
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昆吉則 コンキチノリ
『農業経営者』編集長
農業技術通信社 代表取締役社長
1949年神奈川県生まれ。1984年農業全般をテーマとする編集プロダクション「農業技術通信社」を創業。1993年『農業経営者』創刊。「農業は食べる人のためにある」という理念のもと、農産物のエンドユーザー=消費者のためになる農業技術・商品・経営の情報を発信している。2006年より内閣府規制改革会議農業専門委員。
江刺の稲
「江刺の稲」とは、用排水路に手刺しされ、そのまま育った稲。全く管理されていないこの稲が、手をかけて育てた畦の内側の稲より立派な成長を見せている。「江刺の稲」の存在は、我々に何を教えるのか。土と自然の不思議から農業と経営の可能性を考えたい。
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