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自分の畑は自分で診断する

これなら分かる「土と肥料」の実践講座カリとカルシウム

地方に住んでいて仕事、家庭、地域との連帯をしっかり保っているとなかなか他の地域を見聞することは余裕がないとできないものですが、テレビ放送というメディアも上手に利用すると日本中でなく、世界中の事情を少しは知ることができます。農業事情は特に私たちにとっては欲しい情報なのですが、この種の放映は良く伝えられていると思います。
農業指導のあるべき姿


 地方に住んでいて仕事、家庭、地域との連帯をしっかり保っているとなかなか他の地域を見聞することは余裕がないとできないものですが、テレビ放送というメディアも上手に利用すると日本中でなく、世界中の事情を少しは知ることができます。

 農業事情は特に私たちにとっては欲しい情報なのですが、この種の放映は良く伝えられていると思います。

 この背景には現在は全くなくなってしまいましたが、実は農業関係の専門的教育番組というのはNHKにおいてもたくさんあり、テレビ、ラジオを通じてかなりの教育使命を担っていたと思います。

 この内容は今の農協が行っている営農指導の有線放送など比べものにならないようなレベルの高さと、その人材育成の意味を理解していたと思います。

 これには農業指導の人材が各所に確固たる役割をはたしていたことがあったということであり、生産者と指導者の関係がアラのさぐり合いや責任のなすり合いでない共同事業としての結束があったということです。

 これは開拓地農業時代の人の考え方や望むものの思考と、高度成長を達成した社会のあり方の違いが農業指導にもあらわれてくるものということではないでしょうか。

 このことを逆に裏付けるようなNHKの番組を最近見ることができました。

 それはブラジルの開拓地セラードの大豆農業の実際を収録したもので1月6日の放送だったと記憶しています。

 これは実は20年以上前の米国の大豆不作の年に原因がさかのぼります。

 その深刻な事態に時の田中内閣は、米国の代替えとなる大豆生産地をブラジル内陸部に定め、多額の経済援助をしたのです。

 このODAにより、ブラジルは内陸部の熱帯雨林土壌地帯を大規模に農業開発し、ここに1,000haを一戸の経営規模とする農業者を入植させたのです。

 この入植者の負債額は平均一億円、そしてその金利は30%ということで、しかも夫婦単位の入植ということですから、その勇気に感心させられました。

 それともう一つは、大豆の播種適期は大変限られているのですが、その機械播種の指導を一日中現地指導員が付き添ってアドバイスしている姿でした。

 このセラードの大豆は米国についで世界第2位の生産量ということです。事業の成功は人、物、金が必要ということですが、この例は、広大な熱帯雨林のラテライト土壌が、まず酸性改良すれば素晴らしい畑地土壌になること、これに大規模農業を合理的にできる大型機械がメーカーによって開発され一畦が1,000mという大圃場で本領を発揮していること、そしてここに入植する人の勇気と、それを支える指導員の人材があると感じました。

 人、物、金という三つの要素が揃っているのです。

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