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土壌別経営診断うちの土ではどう作る?

高木健一さん(岐阜県海津郡)の場合

減反から生じた中途半端でない規模の水田転作畑では、過湿による障害とその対策がひとつの大きな課題となる。その際に鍵となるのは、やはり土壌の性質である。今回は、2棟、計2万275平方メートルのガラス温室でロックウールによるトマトの養液栽培を行う一方、転換畑で麦・豆の営農受託を行う岐阜県海津郡のサンフレッシュ海津を訪れた。
関 サンフレッシュ海津の経営概要から教えていただけますか?

高木 水田転作の麦・豆の営農受託と、2棟のガラス温室でロックウールによるトマト栽培を経営基盤確立農業改善事業としてやっています。私は鈴木君と二人で畑作の方を担当しています。

関 夏の間に米をやらないで冬に麦をやっている。

高木 そうですね。11月に麦を播いて、6月に刈って、7月に豆を播いて11月に刈るというサイクルです。地域での取り組みとして、100haの土地を30ha位で転がしながらやる、「ブロックローテーション」という仕組みがあるのです。30haの中でも、個人でやっている人も、私達に頼む人も、他の所に頼む人もいます。もともと海抜が低く、周りを川に囲まれた湿害・水害の多い場所なのでその中でどうするか、という問題があります。

関 昔の人も随分工夫していたようですね。堀田というのがあったけれども……。

高木 湿害・水害の多い所なのです。その中で生産性を上げるために、一部の土を掘り、積み上げて短冊形の耕地をつくります。そして掘り上げたところは水路となり、舟によって農機具や作物を運搬したのです。現在では河川を砂で埋め立ててやっていますが、殆ど酸性なんです。それで、塩害も結構出ています。伊勢湾から塩が上がってきて、堤防からしみ出てきたようです。それで今、私達は麦を播く前に石灰を振ってpHを調整しますが、毎年この作業が必要となります。

関 埋め立てたのはいつ頃ですか?

高木 30~40年も前のことです。

関 埋め立てたところにはどんな違いが出ていますか?

高木 従来の田面と客土区では、やはり出来が違いますね。豆でも、埋め立てたところは黄色くなります。まず湿害に対する土づくり、圃場づくりについてもお話をいただきたいんです。pHとかのみではなく、水はけが良い土づくり……適期適作はできるけど、湿害に強い圃場づくり、あと、豆を播く前はどのような状態にすれば良いのか。関さんの前でこんなことをいうのも何ですが、麦わらをスキ込んだことで初期にチッソが不足するから、生成不良が出るようですね。腐植するためにチッソを消費してしまうというのでしょうか。しかし僕らは米を作る訳ではなく、麦、豆がとれれば、いやとれなければまずいのです。いかに麦・大豆を作るか、なのです。永久に自分の土地で作るのではないので、その中でいかに合理的にやれるか、いかに収量をあげるか、というのがひとつの課題なのです。

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