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耕すということ

土に休息を与える耕し方

 深耕されていれば、大雨が降っても排水は迅速である。浅耕ではどうしても基盤の排水性が劣り、結果として、培土内の水分も多くなっている。バレイショは水分を嫌い、地温の上昇も少なければ、健全な生育は望み得ない。収量・品質が劣り、収穫期も制約される。培土する作物にも、深耕は不可欠であったのである。

 深耕しないで整畦培土で生育を補おうとするのは、やはり邪道である。嵩あげ農法と言えるものでごまかしでしかない。また、土を酷使するばかりで土を休ませることもなく、ましてや睡眠を与えるようなものでもなければ、土は発狂寸前と言えるであろう。図2を比較対照すればよく理解できる筈である。土に休息を与え、鋭気を養える耕法について改めて考えてみよう。


■レーザ制御プラウ
水田を深耕し、作土深を一定にしようとするならば、まず鋤床(基盤)を平らに耕起すべきである。レーザを利用して耕起することによって鋤床は平らになる。ボトムの形状は鋤込み性を配慮している

■レーザ制御プラウの作業状況
表面の凹凸に関係なく平らに耕起する。転換畑で畑作物を作り続けると土壌の易耕性は良好である。反転・鋤込み耕によって土壌は活気を取り戻している。このような土壌があれば水稲の乾田直播栽培は成立する

■小型トラクタ用ボトムプラウ
小型トラクタ用ボトムプラウも開発されており、個別でも深耕、反転鋤込み耕は可能である。日本では小型トラクタでも四輪駆動であり、けん引動力には不足しない

■草地更新プラウ耕(フランスの例)
完全天地返しであり、長年下層に休息していた土壌は表層に蘇る。このように耕起されると草地の雑草は完全に死滅してしまう。更新した草地の牧草は根が深く伸び、収量が多いばかりでなく栄養分に富み、家畜の嗜好性もよい

■小麦畑のプラウ耕(フランスの例)
役目を終えた前作の根部の土壌は、緑肥と共に鋤込まれ、下層に休息していた土壌にバトンタッチして交替する。土壌に残存し、地下層に溶脱しようとしていた化学肥料は表層に浮かび上がって総て利用される

■深耕プラウ
畑作では通常の耕深は25~30cmである。時には45~50cm耕起して本格的に休息させる考え方もある。極めて排水性は良好になり、土壌のリフレッシュで作物は健全な生育を示す

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